「エンジニア向けの英語の勉強方法をおしえてほしい」とよく相談があります。技術的な専門用語も多く難しそうだから…とみなさん口を揃えて言います。
しかし、あえて言いますが、将来海外で働こうと考えているエンジニアの方は「英語の日常会話」を徹底的に身につけるべきです。専門的な英語よりも。私たちのスクールではエンジニアの生徒さんが何名かいらっしゃるんですが、みなさん同じようにおっしゃいます。
今回、私たちの生徒さんでエンジニアの林さんにお話を伺ってきました。ぜひ参考にしてください。

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エンジニアが英語を学ぶなら、最初に鍛えるべきは日常会話です。
多くの日本人エンジニアは、専門的なスキルを磨くことには慣れています。コードで成果を出せる分、コミュニケーションをそこまで求められない環境も多いですよね。
でも、海外で活躍しようとすると、評価されるポイントが少し変わります。プレイヤーとしての腕前よりも、チームをまとめるマネジメント力が強く求められるんです。

そしてこのマネジメント力こそ、日本人がもともと持っている強み。ガントチャートをひいて、チームを管理して、、なんて日本では当たり前にやっていることが海外では素晴らしいスキルセットとして評価されます。
また海外では、自分の意見を強く主張する人が多く、議論がまとまらないこともしばしばあります。そんな中で、日本人が持つ「全体を見て調整する力」や「相手を尊重しながら話す姿勢」が、とても重宝されます。
エンジニアの専門用語の知識よりも人との会話力を優先して身につけたほうが成果に直結します。

ここからは、エンジニアの林さんが、英語がまったく話せないA1+レベルの状態から、英語会議で自分の意見をしっかり発言できるようになるまでに取り組んだ6つの勉強法を紹介します。
林さんは、仕事で海外メンバーと協働する必要があり、最初は「聞き取れない・話せない・沈黙が怖い」という典型的な英語初級者の壁に直面しました。
そこから1年、レッスンを通して少しずつ「話す力」「考える力」「質問する力」を積み上げ、最終的にチームの中でリーダーシップを発揮できるようになりました。

まず、林さんが実践した6つのステップをまとめると次の通りです。
では、それぞれのステップを順に見ていきましょう。
私が英語を始めたときは、A1+レベルでした。自己紹介もスムーズに言えず、頭が真っ白になることもしょっちゅう。
でも最初に決めたのは、「とにかく話す量を増やすこと」でした。
私は25分のレッスンを月に40回、それに加えて2時間のマンツーマンレッスンを月に4回受けていました。ほぼ毎日、英語を話す時間を確保していたと思います。同じ先生と何度も話すようにして、自分の弱点をよく知ってもらいました。

先生には「私が7割、先生が3割」くらいの割合で話せるように会話のバランスを調整してもらいました。できるだけ自分の口から英語を出す時間を増やしたかったからです。
ここで意識していたのは、「話す時間を増やす」より「自分が話す」時間を増やすこと。
先生に話してもらうより、自分で言葉を探し、自分で文を組み立てる時間を大切にしていました。最初の2週間くらいは本当に何も言えず、レッスンが終わるたびに落ち込みました。
でも、そこで諦めずに続けているうちに、“怖さ”そのものに慣れてきました。
私は、毎日のオンライン英会話のレッスンで「今日はこの文法を使って話そう」と1つテーマを決めていました。
3人称単数の日もあれば、過去形の日もある。とにかく、その文法を意識して話すことに集中していました。この方法を始めてから、「文法を勉強する」と「文法を使う」は全く違うことなんだと気づきました。

中学の文法は何度も復習してきたし、頭では理解しているつもりでした。でも、会話の中で使おうとすると、意外とできない。
たとえば「-ed」をつけ忘れたり、不規則動詞を言い間違えたり…。実際に口に出してみて、ようやく自分がどれだけ抜けていたか分かりました。毎回1つの文法を意識して会話を続けるうちに、表現の幅が少しずつ広がっていきました。
文法を「正しく覚える」ことよりも、「使いながら覚える」こと。これが、私にとって大きな転機になりました。
発音を単語だけでなく、文単位でも練習することが、私にとって3つ目のステップでした。それまで私は、発音の練習をほとんどしたことがありませんでした。
英語を口に出すのも、オンライン英会話のレッスンが初めて。だから発音もリスニングも苦手で、相手の英語が速いとほとんど聞き取れませんでした。カウンセリングで「リスニングを伸ばしたいなら、まず発音を鍛えるのが一番の近道」と言われ、それを信じて練習を始めました。
そこから私が集中したのはリンキングです。
たとえば “Can I have a bit of egg?” を、最初は「キャナイ ハブ ア ビット オブ エッグ」と区切って発音していました。でも実際のネイティブの発音は「キャナイハヴァビロヴェッ」のように音がつながって、まるで別の言葉のように聞こえるんです。

その違いが面白くて、何度も繰り返し練習しました。すると次第に耳が慣れてきて、相手の英語が聞き取れるようになり、自分の発音も伝わりやすくなっていきました。
単語単位の発音だけで満足せず、文全体でリズムをつかむこと。それが、私が「英語が聞こえるようになった」と実感できた瞬間でした。
ステップ4では、レッスン中に言えなかったことをライティングで整理することに取り組みました。
正直に言うと、これが今までで一番つらい課題でした。
週に1本、200語以上の英文を書く――たったそれだけなのに、当時の私にはとても重い宿題でした。お題は「自己紹介」「趣味」「好きな季節」「最近ハマっていること」「英語の勉強法」など、身近なテーマばかり。それでも、英語で書こうとすると全然進まない。文法も語彙も足りなくて、1本書くのに2〜3時間かかることもありました。

しかも当時の私は、比較級も現在完了も関係代名詞もまだ理解があいまいでした。それでも先生に「間違っていてもいいから書いてみましょう」と言われ、毎週1本ずつ提出していました。
やってみて初めて気づいたのは、「話せない理由は、英語の知識が足りないからだけじゃない」ということ。実は、「何を話したいのか」が自分の中で整理できていなかったのです。

ライティングでは、ゆっくり考えながら「自分は何を伝えたいのか」を掘り下げられます。その積み重ねが、会話中の発話にそのままつながりました。
書いた内容をもとにレッスンで話すと、「あ、これ英語で言える」と実感できる瞬間が増えていったんです。時間はかかりましたが、このライティング練習こそが、私の英語力を“自分の言葉で話せる力”へと変えてくれたステップでした。
ライティングで「何を話したいのか」を整理できるようになったあと、次に取り組んだのが1分スピーチの練習でした。
やることはシンプルで、1つのお題を決めて、1分間・160単語前後でスピーチをする。テーマは「趣味」「好きな季節」「最近ハマっていること」「仕事の説明」など、ライティングと同じような内容でした。

ただし、ライティングと決定的に違うのは、“時間制限”があること。
1分以内で英語の表現をひねり出し、自分の言葉でまとめなければいけません。これが本当に大変でした。最初のうちは、先生の質問に対して単語でしか答えられず、数秒で会話が止まってしまうこともありました。
スピーチ練習を続けるうちに、即興で内容を考えて英語で答えられる力が身についてきました。以前は日本語で考えてから英語に変換していましたが、このスピーチ練習を通じて、最初から英語で考える習慣がついたんです。

1分間で自分の考えを組み立てる癖がつくと、会議や商談で相手から質問されたときにも、すぐ英語で反応できるようになりました。さらに不思議なことに、この練習を重ねるほど、相手の英語も聞き取れるようになっていきました。自分の中で文の構造やテンポを意識するようになったことで、相手の言葉の“リズム”が自然に理解できるようになったからだと思います。
この1分スピーチは、私にとって“話す筋トレ”のようなものでした。
英語で考え、英語で伝える。その回数を積み重ねるうちに、気づけば会議でも自然と発言できるようになっていました。
英語でマネジメント力を身につけることを意識したのが、私の最後の課題でした。アロハイングリッシュに「マネジメント力を鍛えるためのレッスン」があったわけではありません。
でも、カウンセリングで話す中で、「自分のマネジメントは“質問力”から始まる」と気づいたんです。

私は普段から、相手の考えや状況を丁寧に聞き出してチームをまとめるタイプでした。その強みを英語にも活かすために、質問を使って相手を理解する練習を徹底しました。「英語で考えて、英語で質問する」ことにこだわり、日本語で内容を考えてから訳す癖をできるだけ減らしていきました。
具体的には、レッスン中でも積極的にこんな質問をしていました。
| ・“What do you think is the best way to solve this?”(この問題を解決する一番の方法は何だと思いますか?) ・“Could you tell me more about your idea?”(もう少しその考えを詳しく教えてもらえますか?) ・“How do you usually deal with this situation?”(普段こういう時はどうしていますか?) |
最初の頃は質問を作るのにも時間がかかり、会話が止まってしまうこともありました。でも、とにかく意識したのは、難しい単語を使うことではなく、中学で習ったシンプルな英語で会話を続けることでした。


文法や語彙を完璧にするよりも、相手との会話を途切れさせないことを大切にしました。英語で質問を重ねるうちに、相手の答えを聞きながら次の質問を自然に考えられるようになり、会話全体をリードできるようになっていきました。
質問を通して相手の意見を引き出し、話を整理しながら方向性を決めていく――そうやって、もともと自分が得意としていたマネジメント力に、英語という新しいスキルを“装着”できたと感じています。
エンジニアが英語を身につけるうえで大切なのは、「知識を増やすこと」よりも「使う場を増やすこと」です。
林さんのケースが示すように、A1+のレベルからでも、地道な実践を積み重ねれば、1年で英語会議に参加し、発言できるようになります。
技術的な専門性はすでに十分にあります。足りないのは、英語でそれを“共有する力”です。
日常会話を起点に、文法を使って話し、発音で伝え、週に1本のライティングで考えを整理し、スピーチでまとめる――この流れを続ければ、英語力は確実に伸びていきます。
英語学習は、センスではなく習慣です。
あなたの1本のライティングと、1回の会話練習が、1年後の“発言できる自分”をつくります。
Aloha English英会話の専門家が
英語学習のお悩みや目標をヒアリングし、
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担当者がじっくり日本語でお話をお伺いします。
英語で話すことが苦手な方はぜひご相談ください。
英語の聞き取りに関するお悩みもご相談できます。
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