海外移住して6ヶ月で生活に困らないくらいになった私の英語勉強法

海外移住を考えたとき、最初に気になるのが「どれくらいの英語力があれば生活できるのか」ということではないでしょうか。

実際に多くの方が、準備を始める段階で「今の自分の英語力では足りない」と感じています。この記事では、海外移住に必要な英語レベルの目安と、そこに到達するための具体的な学習法をお伝えします。

さらに、私自身が英語が話せない状態から半年で生活に困らないレベルまで伸ばした経験もご紹介します。

読み終えるころには、

今のあなたの英語力がどの位置にあるのか、そしてこれから何をすれば海外で“暮らせる英語力”を身につけられるのか、その全体像がはっきり見えるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

1.海外移住に必要な英語力

海外移住に必要な英語力は、下の表のとおりです。

ここではわかりやすいように英検TOEICのスコアを並記していますが、実際に海外で生活できるかどうかはCEFR(セファール)という「英語運用能力の指標」で判断します。

英検やTOEICのスコアが高くても、CEFRレベルが低い場合は現地での実践的な会話に苦労することがあります。そのため、海外移住を目指す方は、まずこの表を参考にご自身のレベルを確認してみてください。

英検(目安)TOEIC L&R(目安)CEFR・レベル英語力の目安状況例
2級相当550–780B1/レベル6海外移住に必要な最低限の英語力スーパーやカフェで注文が可能。語学学校には必ず通うべき段階です。
2級上位〜準1級手前700–820B1+/レベル7会話がスムーズに続き、意思を伝えられる一人での移住生活が安定し、現地の人との交流が増えます。
準1級相当785–940B2/レベル8意見交換や簡単な議論ができる英語を使ったパート・アルバイトが可能になります。
準1級上位860–950B2+/レベル9複雑な内容も理解し自然に話せる正社員として英語を使って働けるレベルです。
1級相当945–990C1/レベル10抽象的・専門的な話題も扱えるマネージャーやリーダー職として活躍できる段階です。

生活をしながら英語を使い、レベル7〜8へ上げていくことで、会話も仕事も自立してこなせるようになります。この段階に達すると、「聞いて・話して・助けを求められる」力が身につき、海外生活が現実的に“暮らしていける”ものになります。

▷CEFRに関しては「【一瞬でわかる】CEFRの英語レベルを12段階と日本人の平均を徹底解説」を参照ください。

2.6ヶ月で生活に困らないくらいになった英語の習得方法

6ヶ月で生活に困らないくらいになった私の英語の習得法について、具体的にご紹介します。

私はオンライン英会話スクール「Aloha English」を運営していますが、もともとは英語がまったく話せない状態で、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに渡航しました。到着直後は、銀行口座の開設もできず、家探しや病院での説明にも苦労し、「もっと勉強してから来ればよかった」と何度も後悔しました。

そんな私が6ヶ月で生活に困らないほど英語を使えるようになった学習法が、次の6つです。

No.学習法説明
1積極的に英語で友達に話す間違えても構わない、とにかく声に出して話すことを優先しました。最初は片言でも、相手が笑って返してくれる経験が「通じる」自信につながりました。
2自分の言いたいことを書いてみる会話で言えなかったこと、伝えたいけれど言葉が出てこなかったことを日本語で書き出し、それを英語に直しました。自分の“言いたいことリスト”を増やしていく感覚です。
3書いた文章を暗記して、友達に通じるか試す書いたフレーズをそのまま覚えて実践しました。通じれば「成功」、通じなければ「修正」。その繰り返しが一番の教材になりました。
4英単語と英文法の知識を強化する必要に応じて単語帳や中学英文法を見直しました。会話中に「言いたいのに単語が出てこない」というストレスを減らすためです。
5この4ステップを3ヶ月間、毎日繰り返す最初の3ヶ月は“基礎づくり期間”。失敗を恐れず、毎日何かしら英語を使う時間を作りました。
6自分の成長を客観的に振り返る1ヶ月ごとに「何が言えるようになったか」をメモして、自分の変化を確認しました。これが継続のモチベーションになりました。

私はすでにアメリカにいたため、英語を話す環境自体は整っていました。

これらを毎日3時間以上、欠かさず実践しました。平日は仕事の合間や夜に集中して取り組み、土日や休みの日は、朝から晩まで英語で友達と過ごす時間を作りました。一緒に買い物に行ったり、映画を観たり、食事をしたりと、1日8〜10時間ほど英語を使う環境に身を置くようにしていました。

こうして「勉強」と「実践」を切り離さず、生活そのものを英語で過ごす時間に変えていったのです。 

最初はバンク・オブ・アメリカで口座を開くこともできませんでしたが、言いたいことを紙に書いて暗記し、何度も挑戦した結果、無事に手続きできました。その後は引っ越し先の不動産契約、光熱費の手続き、病院での診察なども一人でこなせるようになりました。 

3.僕が現地で気づいた、“完璧な英語”より大事なこと

私が現地で気づいた、“完璧な英語”より大事なことは「置き換えスキル」でした。英語を学ぶとき、多くの人が「正しい文法」「ネイティブのような発音」「完璧な単語選び」を目指します。

私もそうでした。

ですが、実際に海外で生活を始めてみると、完璧さよりも「伝える力」のほうが何倍も大切だと痛感しました。“置き換えスキル”とは、知らない英単語が出てこなくても、自分の中にある簡単な言葉で言い換えて伝える力のことです。

つまり、「言えないから黙る」のではなく、「知っている言葉で話す」ためのスキルです。

この画像は、難しい日本語を英語に翻訳する際の効果的なプロセスを説明しています。タイトルには「英語にすることが難しい日本語表現は、まずはシンプルで簡単な日本語に置き換えることがポイント」と記載され、初心者でも取り組みやすいアプローチが提案されています。 画像中央には、3つの円で構成された流れが描かれています: 1. 難しい日本語(青色円): 最初に複雑な日本語を簡単にする必要があることを示しています。 2. 簡単な日本語(青色円): 難しい表現を簡潔な日本語に置き換えるプロセスを示唆しています。 3. 英語へ変換する(赤色円): 簡単になった日本語を英語にする最終ステップを表しています。 下部には「この工夫をすることで、難しい単語を暗記しなくてもスムーズに会話が成り立つようになります。」と説明が加えられ、具体的な学習の利点が強調されています。右下に「@Aloha English英会話」のロゴが配置され、信頼感を高めています。 このデザインは、初心者が翻訳の壁を乗り越えるためのシンプルなステップを視覚的にわかりやすく説明した内容となっています。

たとえば「送別会」。英語では“farewell party”ですが、この単語を知っている人は少ないですよね。でも「さよなら会」と日本語で一度置き換えれば、“goodbye party”で通じます。

英語を置き換えるメソッドとは

それで十分なのです。

同じように「最近仕事が忙しくて残業続きなんです」。“残業”という単語が出てこなくても、“I usually work from nine to five, but these days I work until nine.”

数字を使う①

——これで、相手にはちゃんと「残業してるんだな」と伝わります。英語が話せないとき、多くの人が「正しい単語が出てこない」と焦って黙ってしまいます。

私はアメリカに渡ってから、この“置き換えスキル”の大切さを痛感しました。英単語を知らなくても、主語+動詞+目的語で簡単に伝えようとすれば、相手はちゃんと理解してくれます。最初はぎこちなくてもいいのです。間違いだらけでも、相手に伝わったという経験が大切なのです。

そしてこの「置き換えスキル」こそが、私が現地で気づいた“完璧な英語”よりもずっと大事なことだったのです。

 

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記事の監修者情報

【松本兼頌(Matsumoto Kensho)】

英会話コーチング歴は10年以上。これまでに300人以上の英会話学習者をサポートし、スピーキング力の向上や転職成功といった多くの成果を実現してきました。特に、初心者が陥りやすい失敗や学習のつまずきポイントを熟知。その経験をもとに、「どうすれば英語が話せるようになるか」を具体的かつ実践的に解説しています。日常英会話からビジネス英語まで幅広く対応し、スピーキング・発音・リスニングに重点を置いて監修しています。

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