相手への贈り物やプレゼントの英語表現で、GiftとPresentの2つがよく思い浮かびます。どちらも贈り物を表す英単語としては正しいですが、完全には同じではなく使い分けができます。
大切な人やお世話になった方へ、家族へ何かをあげる。素敵なことですよね。私たちはよくそのことを和製英語的にもギフト(Gift)やプレゼント(Presen)と呼びます。この2つの言葉に何か違いはあるのでしょうか?
- GiftとPresentのコアイメージから考える違い・使い分け
- GiftのPresentの用法を確認できる練習問題
- 同じ贈り物で似たような英単語
など、こちらのページで一通り解説していきます。なんとなくGiftやPresentを使っている人も多いですが、コアイメージを確認できればネイティブと同等の英語表現ができるようになります!
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1.GiftとPresentのコアイメージ
Giftの由来ですが、ゲルマン語(今のドイツ語)からきています。与える(To give)や与えられる(given)という意味合いがルーツだそうです。Presentもプレゼントするや授けるという意味合いがあります。由来はフランス語から来ています。
両方とも対価としてお金を支払うことを期待しないで、持ち物を人に渡すことを意味します。それぞれ類義語として本質的には同じ意味を持ちます。しかしほとんど一緒といっても、それぞれのもつ意味合いやイメージは若干ですが異なってきます。
1-1.Giftは畏まった意味での贈り物

Giftのコアイメージにはフォーマル・丁寧な印象があり、上記でも紹介した与えられる意味の「given」がポイントです。
上の者から下の者へ与えるような恩恵や、逆に目上の方へ与えられる高貴な贈答品などがイメージに近いですね。
高価な品物やお中元・目上の人に向けてのギフト
Giftには上下関係やフラットでないお互いの立場が想起され、以下例文のように高価な品物やお中元的な贈り物で使えます。
- What’s the best mid-year gift to get for my client?(私のお客さんへ贈るお中元は何が良いでしょうか?)
- Thank you for your gift.(※上司などに対して:贈り物、ありがとうございます)
- It is important to know about the gifts of civilization (文明の賜物を知ることは大事です)
目に見えない恩恵や賜物といった、ありがたい存在もgiftで表現できるでしょう。
才能を意味するギフトも

Giftは時として「才能」として使われることもあります。以下のようなフレーズが例となります。
- a musical gift(音楽の才能)
- the gift of song.(歌の才能)
- a person of many gifts(多才な人)
神様からの贈り物といった感覚でしょうか。アメリカの映画:giftedでも、天性の才能を持つ子供・神童をギフテッドと呼ぶなど、Gift=才能のイメージがあります。
※ちなみにgiftedは、「並外れた才能・天才の」を意味する形容詞です
1-2.Presentは親しみのある贈り物

Giftに対してPresentには、親しい関係への贈り物や感謝の気持ちがコアイメージにあります。
Giftにあった立場の違い・上下関係がなくなり、フラットな目線から親しみを持って贈られるものを示します。
語源から考えるPresentの意味
Presentの語源ですが、「あらかじめある・前へ持ってくる」などを意味するラテン語が由来となります。
- pre:あらかじめ・前に
- esse:ラテン語のbe動詞(ある)
また、シンプルな由来としてpre/sentと分割してpre(前もって用意した物)とsent(贈る・渡す)といった説もあります。
そのため、Presentには贈り物を意味する名詞だけでなく、「存在している・出席する」などの形容詞としての役割もあります。前もって存在する(または渡すものを事前に用意する)という語源から、プレゼントの意味に派生しました。
友達や家族へのプレゼント

このPresentですが、以下例文のように友達や家族など親しい関係での贈り物でよく使われます。
- This is a present for my mum, I hope she will be happy!(これはお母さんへのプレゼントで、喜んでくれたらいいですね!)
- My friends gave me a birthday present.(誕生日プレゼントを友達からもらいました)
もらって嬉しいといった気持ちや、ありがたみのある感情などがPresentから読み取れます。
2.GiftとPresentの違いを比較|同じ「贈り物」でも異なるポイントがある!
コアイメージや語源からGiftとPresentの違いを説明しましたが、贈り物の相手や種類についてもう少し掘り下げていきます。
2-1.贈る相手が親しい関係かどうか

使い分けのポイントとして、贈り先の違いがあります。関係性が深い相手だと、親しみのあるPresentが使われますね。
なので、同じ家族間の贈り物でも以下のような使い分けがあると、プレゼントに関するニュアンスが少し変わって感じます。
- My older brother became very happy with this present.(その贈り物で兄さんはとても幸せになりました)
→家族からのプレゼントで本当に嬉しい気持ちが出ている - I got a gift from my brother.(兄さんから贈り物をもらいました)
→目上の相手からいただくような、少し畏まったニュアンスが出ている
腕時計や洋服など同じ物でも、関係性によってPresentとGiftで伝わるニュアンスが変わります。
2-2.気持ちのこもった特別なプレゼントor形式的・贈答品的なギフト

Presentで表現される贈り物や友達への思いやりや家族への愛情など、気持ちが込められています。誕生日や結婚記念日など、特別な贈り物にはPresentが適切です。
対してGiftは日本語で言う「贈答品」に値するため、嬉しさや感謝よりも「とりあえずお中元の時期だから」とか「義務的に必要だから」と気持ちよりも習慣的な背景から贈る物を示します。
例文として、「I’m still debating about year-end gift.(お歳暮はまだ検討中です)」との表現は、取引先などへのお歳暮を何をすればいいか、億劫に感じる感情も読み取れるかもしれません。
2-3.形容詞としての役割があるかどうか

さらにGiftは以下フレーズのように、形容詞としての役割をも果たします。
- A gift shop(ギフトショップ)
- Gift boxes(ギフトボックス)
- Gift cards(ギフトカード)
- Gift wrap(贈り物用の包装)
これらの英語表現では、「A present shop / Present boxes / Present card / Present wrap」など、Presentに置き換えることはできません。別の名詞とセットで使う場合にはGiftを選ぶようにしましょう。
3.GiftとPresentの違いを練習問題からチェック!
上記の説明を踏まえて、GiftとPresentの違いを確認する練習問題もぜひ取り組んでみてください。
3-1.GiftとPresentのどちらかを選択する練習問題(5問)

以下の5つの例文で「—」には、giftとpresentのどちらかが入ります。贈る相手やもらう物などから、どちらが適切な考えてみましょう。
正解は以下で記載していますので、まずは5問全て考えてみてください。
- I gave my friend a birthday —.
- This is a small — for my boss.
- I got a Christmas — from my sister.
- How about preparing a — for our client?
- He has a — for music.
最後(5番目)の例文は、日本語に訳すと「贈り物」とは別の表現になります。これも特徴的な違いですね。
3-2.練習問題の解答はこちら!

練習問題の解答は以下の通りです。ひっかけとかない例文だったので、コアイメージが分かれば全部正解できるかと思います。
間違っていても問題ございません! もう一度本ページを読み直してみるとお分かりいただけますので、着実に英語の知識を吸収してみましょう。
【練習問題5問の日本語訳:解答はこちらです】
- 友達に誕生日プレゼントをあげました(親しい関係からpresent)
- これは私の上司へのささやかな贈り物です(上下関係のある贈り物なのでgift)
- お姉さんからクリスマスプレゼントをもらいました(親しい関係からpresent)
- お客様へのプレゼントを用意するのはどうでしょうか?(ビジネスシーンでかしこまっているのでgift)
- 彼は音楽の才能があります(才能を意味するgift)
4.GiftとPresentと似たような英語・贈り物の表現
GiftとPresentの使い分けと関連して、「贈り物」に関する類似表現も以下でまとめました。
4-1.お土産を贈る場合にはSouvenir

友達や会社などに贈る物で、お土産もよくあるかと思います。お土産は「souvenir」の英単語が使われます。
- I got a souvenir from Canada.(カナダのお土産をいただきました)
- I forgot to go to the souvenir shop.(お土産店に行くのを忘れました)
GiftやPresentでもお土産で通じますが、souvenirも一般的な感じです。海外で「souvenir shop」の看板を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
4-2.賞金や賞与の贈呈にはAward

贈る物について賞や賞金などの場合には「award」がよく使われます。以下例文のように、名詞のほか動詞(授与する)でも活用されます。
- I can’t win the best employee award. (自分は最優秀社員賞を獲得できません)
- The school awarded her a prize.(学校は彼女に賞を授与しました)
awardで表現される賞や賞金は、よく考えた上で与えられるコアイメージがあり、審査員による厳正なる審査で決められるようなアワードと言えます。一番有名な例ではやはり、アカデミー賞(Academy Awards)が挙げられるでしょう。
4-3.寄付的な贈り物はDonation

贈り物の中で、寄付に該当する場合には「donation」の表現がおすすめです。動詞で「寄付する」と言いたい場合には「donate」になります。
- He asked us to make a donation to help the poor.(貧しい人を助けるための寄付をするように、彼は私たちに頼みました)
- I donated my hair.(自分の髪を寄付しました)
最近、認知度が高まっているヘアドネーション(hair donation)も、髪の毛の寄付として捉えることができますね。
5.似たような意味でもGiftとPresentの使い分けは大事!
GiftとPresentの違いについて一通り解説しましたが、大事なポイントは以下の通りです。
- 贈る相手との関係性や贈る物によって、GiftとPresentの使い分けができる
- 親しみ・感謝の気持ちが強いのがPresentで、畏まったイメージが強いのがGift
- お土産や賞など、特定の贈り物に対しては別の英単語も使える
5-1.プレゼントをする動詞表現はGiveが使える

GiftとPresentについて基本的には名詞での表現をご紹介しましたが、「贈り物をする・与える」など動詞で伝えたい場合にはGiveが無難です。
- I’m going to give you a present.(あなたにプレゼントをするつもりです)
- Let me give you a gift.(僕から贈り物をさせてくれますか)
このように、「与える・渡す」動作をGiveで伝えられます。ただ、この基本動詞のGiveは単純に渡すだけでなく、コアイメージの手渡す動作から「伝える・開催する」などの意味もあります。
「Please give me a call later.(後で電話をしてくれますか)」など、物理的に与えるだけでない用法があり、日常会話でも多用します。この幅広い活用を知っておくとより英語表現に自信が付くでしょう。
5-2.類似表現や基本動詞などおさえておくと英語表現力が身に付く!
GiftとPresentの使い分けから、細かいニュアンスの読み取りをしていただけますと幸いです。さらに、似たような英語表現や、関連するGiveなどの基本動詞も覚えておくとスピーキングやライティングで役立ちます。
詳しくは当サイト・Aloha Englishのコラム記事・関連記事で詳しく解説しています。独学でも基礎からしっかり英語力が身に付くノウハウ・情報をまとめていますので、ぜひご参考ください!
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