基本動詞のWantは、「欲しい」や「〜をしたい」で覚えている方も多いのではないでしょうか。実際、欲しいなどの意味も正しいですがWantはコアイメージを理解できることで、より幅広い使い方ができます。
コアイメージである「足りないものを補う」意味を知ると、相手への依頼・提案や丁寧な表現などもWantでできるようになります。中学英語で習うような簡単な動詞ですが、実はWantは日常会話・ビジネス英語でかなり活用できます。
- Wantの基本的な意味
- コアイメージからの派生
- Wantと類似する動詞との比較
など、大事なポイントを一通り解説します。Wantについてより詳しく知りたい方は、ぜひお読みください!
ページコンテンツ
1.Wantの基本的な意味について
はじめに、Wantに関する文法的な基本情報から説明します。こちらのページでは動詞での活用を中心に解説しますが、名詞の用法もあります。
1-1.中学英語で習う「欲しい・〜をする」が基本になる

Wantは中学の英語で習うような基本的な単語で、「〜が欲しい・〜がしたい」がよくある用法です。
- I want to go to Kyoto.(京都へ行きたいです)
- I want another beer.(ビールをもう1杯欲しいです)
上記の例文のように、欲しいものやしたいことをWantで表現できます。
これでも正しい使い方ですが、より日常会話で役立つ表現をマスターするためには、Wantのコアイメージから派生する用法を知っておくといいでしょう。詳しくは以下で説明します。
1-2.Wantの語形変化まとめ

Wantの語形変化・時制に応じた動詞の活用について以下でまとめました。不規則でなく、過去形と過去分詞にedをつけるよくある変化なので分かりやすいかと思います。
- 動詞の活用法:want – wanted – wanted(過去形と過去分詞が同じ形です)
- ing形(動名詞・現在分詞):wanting
- 三人称単数:wants
動詞のほか名詞としての活用も

動詞としての活用シーンが多いですが、Wantには以下例文のように名詞で使うこともあります。
- I have few wants.(私はあまり欲がありません)
- For want of sugar, I used oligosaccharide instead.(砂糖が足りないため、代わりにオリゴ糖を使いました)
名詞にすると欲や欠乏・不足などを意味します。あまり聞き慣れないかもしれませんが、以下でも説明している「足りないものを補う」コアイメージが分かれば、関連性があるものだと認識できるでしょう。
1-3.Wantの発音方法|Won’tと似ているので注意

Wantの発音自体はそれほど難しくありませんが、よくあるお悩みとして「Won’t」との聞き取りで区別がつかないことが挙げられます。
〜が欲しい・したいという意味と比べて、Won’tは〜をしないつもりと全く逆の伝わり方をします。そのため、「I want another beer.」と相手が言っても「I won’tで、もしかしてビールが欲しくないのかな…?」と勘違いをしてしまうかも。
WantとWon’tの発音もほぼ同じで、
- Want:wɒnt(口を大きく広げて、短めに発音)
→後に来るのは名詞・to +動詞の原形 - Won’t:woʊnt(口をすぼめて、二重母音の「オゥ」を強調)
→後に来るのは動詞の原形
といった違いはありますが、リスニングで苦戦する場合には文脈で判断するほか文法的な判別もできます。後ろに動詞が来るとWon’tで否定していることが分かり、名詞やto不定詞の場合には〜したい表現であることが理解できます。
2.Wantのコアイメージは「足りないものを補う」
Wantのコアイメージは、ただ〜が欲しいだけでなく足りないものを補うニュアンスが的確です。
2-1.基本的に何かが欠けている状態

コアのイメージは「強い欲求、または足りないものを補いたい」表現ができます。
あまり英語が得意でない人でも、Wantの単語を知っている方はほとんどなのではないでしょうか? こんな簡単な英単語でも、ネイティブたちが話す日常会話で高確率で使われています。これをマスターすれば、必ず英会話の上達に役に立つはずです。
ネイティブはこのWantを強い欲求または足りないものを補いたい、という感覚で使っています。以下の通り、このコアイメージから知っておきたい7つのこと・用法を記述しています。
- 単純な欲求(〜が欲しい)
- レストランなどでの注文表現
- 必要であることを示す
- 〜をしたい
- 相手への依頼・提案表現
- ビジネスシーンなどでの丁寧な表現
- 否定系での表現
それぞれこのコアのイメージをしっかり意識して読み進めると、より頭に入りやすくなるでしょう。
2-2.足りていないから欲しい・したい・して欲しいの意味に派生

Wantという基本動詞では、欲しいや〜したいという意味がある背景として、足りていない・不足している状況がイメージできます。
- 必要なものが足りてない→欲しい・注文したい
- 必要なことをしていない→〜をしたい・相手へ依頼したい
- 相手側がしたいことが足りていない→提案をしたい
など、足りていないことでの派生が柔軟にされます。自分のしたいことだけでなく、相手がしたいこと・するべきこと・お願いすることなど、依頼表現でもWantが使えるので、ぜひ覚えておきましょう。
3.Wantの意味・使い方を7つの用法でチェック
以下では、Wantの意味や用法で重要なポイントを7つにまとめました。日常会話でもすぐ応用できるフレーズが多いので、参考にしてみてください。
3-1.Wantの使い方1:基本は単純欲求(〜が欲しい)

まずは、一番ポピュラーな意味の「欲しい」があります。
人の単純欲求を表す言葉です。あれが欲しい、これが欲しいは全てWantで表現できますね。ネイティブは何かが欲しい時や、手に入れたいという気持ちで使っています。
- I want that apple.(私はあのリンゴが欲しい)
- What do you want?(何が欲しいの?)
- I want a big house.(私は大きい家が欲しい)
- He wants your advice.(彼はあなたのアドバイスが欲しい)
- I want the truth.(真実が欲しい)
*このWantを使うときに、少し注意があります。それは単純な欲求を表すため、やや少し子供っぽく聞こえることがあるかもしれません。
欲求を素直にぶつけている感じなので、大人な言い方をする場合には少しそぐわない場合もあります。その場合、以下で説明している「would like to」の丁寧な表現がおすすめです。
All you wantなど役立つ表現

単純欲求のWantに関連するイディオムで、以下のような表現ができます。ただ欲しいだけでなく、本当に欲しい! といった強調のニュアンスを加えられます。
- All I want/all you want:望むだけ・好きなだけ
例文:Eat all you want(食べ放題・バイキング形式)
All I want to know is if it is true.(私がただ知りたいのは、真実かどうかです) - want ~ all to oneself:〜を独り占めしたい
例文:I want this cake all to myself.(このケーキを独り占めしたいです) - want ~ very badly:喉から手が出るほどに欲しい
例文:I want the new iPhone very badly.(新しいiPhoneを何がなんでも欲しいです)
食事におけるバイキングは和製英語なので、ネイティブに伝えるにはAll you want(またはAll you can eat)などの表現が使えます。
3-2.Wantの使い方2:レストランなどでの注文

〜が欲しいという基本の意味から派生して、「〜をください」とお店で注文するような感じでWantを使えます。
レストランで注文するときにも使えるWantは、文末に「please」をつけてあげるとより丁寧な言い方になります。
- I want a cup of coffee, please.(コーヒーを一杯ください)
- I want a cheeseburger combo A, please.(チーズバーガーAセットをください)
3-3.Wantの使い方3:必要であることを日常会話で表現

Wantは「~が必要だ」といった使い方もできます。
「欲している」つまり「必要だ」とも解釈することができます。これはややくだけた表現なので、日常会話で使われます。動名詞のingとセットで使うこともあります。
- Your hair wants cutting.(髪を切る必要がありますね)
- My shoes want repairing.(私の靴は修理が必要です)
ただ、口語的な表現なので「〜したい」と動詞とWantを組み合わせるには、以下で説明しているWant to~が優先されます。
3-4.Wantの使い方4:「〜したい」は重要表現

Want to do / Wanna doで〜したいと表現できます。
一般的にはWant toとして使うことも多いですが、ネイティブの人たちは「wanna」と省略して使うことも多くあります。
例文チェック
- I want to visit Hawaii.→I wanna visit Hawaii.(私はハワイへ訪れたい)
- I want to get Diamonds. →I wanna get Diamond.(私はダイヤモンドが欲しい)
- I want to be superman. →I wanna be superman.(私はスーパーマンになりたい)
Want と Want toの違い|後ろに動詞が来る場合はto不定詞

WantとWant toを混同して、「I want visit Kyoto.」とたまに間違った使い方をする人もいます。例外もありますが、基本的には動詞と同士が連続することは文法上誤りなので、〜することと表現したい場合にはto不定詞による名詞的用法を使います。
- I want a plane ticket to Kyoto.(京都行きの航空券が欲しいです)
→欲しいもの・名詞を対象にするならWant - I want to visit Kyoto.(京都へ訪れたいです)
→動作・動詞を対象にするならWant to
同じような事柄でも、〜が欲しいと〜がしたいの表現でtoを入れるかどうかが変わります。関連記事で、to不定詞の基本と使い方を解説しています。
ネイティブが使うWannaはWant toの短縮形

ネイティブはよく、Want toを短縮・省略して「Wanna」と言うことが多いです。Want to=Wannaで、〜をしたいことを仲の良い友達や家族を相手に表現できます。
- I wanna be a tax accountant.(税理士になりたいな)
- I wanna eat Japanese food.(日本食を食べたいね)
- I wanna lose weight.(痩せたいんだよね)
注意点して、上の例文のようにWannaを使う主語は自分が基本で、Wants to〜と三人称になるHeやSheにはWannaが不適切となります。
私・自分が口語で〜をしたいと言う場合であれば、Wannaはネイティブのように使えます。日常会話でも多用できるので、ぜひ活用してみましょう。
3-5.Wantの使い方5:相手への依頼や提案表現

〜をして欲しい・〜が足りないWantのコアイメージから、依頼・提案表現の用法もあります。
Do you want to do~で「〜をして欲しい・してくれませんか 」
日常会話でよく使うのが、「Do you want to~?」です。
直訳をすると「〜をしたいですか?」になりますが、カジュアルなシーンで何かしてもらいことがある時に「〜をしてくれる?」といったニュアンスで伝わります。
- Do you want to call me later?(後で私に電話をしてくれますか?)
- Do you want to come along?(あなたも来ませんか?)
- Do you want to wash the dishes?(皿洗いをしてくれますか?)
などの例文のように、相手へのお願いで表現できます。より丁寧な伝え方をしたい場合にはCan yoo~?・Could you~?などの表現が使えるでしょう。
Want + 人 + to doで「人に〜をして欲しい ・してくれませんか」

誰かに何かを頼む時に使えるフレーズで、「Want 人 to do (人に~して欲しい)」も使えます。
少し難しい表現ですが、これもしっかりと使えるようになると英会話で便利です。形を頭では理解することはできても、口に出すと意外と難しい表現です。
- I want him to go with me.(私は彼に一緒に行って欲しい)
- I want Mike to do that job.(私はMikeにあの仕事をして欲しい)
- She wants me to work together.(彼女は私に一緒に働いて欲しい)
また、上記のDo you want to~?との応用で、「Do you want me to~?」と自分(me)を入れる場合には相手に〜をしましょうか? といった提案ができ明日。
これもカジュアルな表現で、「Do you want me to take a picture?(私が写真撮りましょうか?)」といった具合で率先して何か自分がしたい時に提案できるでしょう。
ネイティブはDoを省略して「You want me to~?」とも言う

参考程度の表現ですが、Do you want me to~?と提案をするときにネイティブはDoを省略して「You want me to~?」と言うこともあります。
「You want me to come over?」の例文では直訳すると「あなたは私にそちらへ来て欲しいですよね?」みたいな感じで、もしかしたら日本語でもこんな回りくどい言い方で提案する人もいるかもしれません。
「私がそちらへ行きましょうか?」が自然な意訳ですが、Doを省略した疑問文でない形でも相手への提案ができます。
3-6.Wantの使い方6:ビジネス英語としても大活躍な丁寧な表現

Wantに関する注意点について、上記で少し触れましたが「〜したい!」といった意志をぶつけている感じで、あまり大人な表現とは言えません。
そこで、ビジネスシーンでも使える英語表現の置き換えも知っておくといいでしょう。
Would like to do~でより丁寧な言い方ができる
Want toを丁寧な表現をするフレーズでは、Would like to do~が有名です。中学英語でも習った覚えがある人はいるのでは?
ただ、この表現も知識としては知っていてもいざ口に出して発音すると難しいです。「would」を発音する際に「w」は口を尖らして、タコのような口の形にして「ウッドゥ」発音するように練習しましょう。
- I would like to buy a present.(私はプレゼントを買いたいです)
- I would like to inform you.(私はあなたにお知らせします)
- I would like to go with you.(私はあなたと一緒に行きたいです)
Want・Want to・Would like toで比較するニュアンスの違い

wantは日常で非常によく使われる英単語です。しかし使い方を間違えると幼稚な表現にもなるので、少し注意が必要。
言わば、Wantは「生々しすぎるギラギラ感」を出してしまうことがあるので、使うときは下記のように工夫してみてください。
・I want that apple.(あのリンゴが欲しい!!)
に対して
・I want to have that apple.(あのりんごが欲しいです)
とWant toに置き換えることで、意味は同じでも「強い欲求」が少し柔らかくなります。さらに、
・I would like to have that apple.(あのりんごを頂きたいです)
丁寧なwould like toに置き換えると、より落ち着いた表現ができますね。こうするとさらに「生々しすぎるギラギラ感」が打ち消されます。
まとめると、丁寧なニュアンスの度合いではWould like to>Want to>Wantという序列になります。WantとWant toでも伝わり方が多少異なり、多用は避けた方が良いでしょう。
You may want to~で「〜するのはいかがでしょうか?」と丁寧に言える

また、丁寧な表現の一つとして「You may want to~」で「〜するのはどうでしょう?」と言えます。
You want to~でも相手への助言で通じるフレーズで、助動詞のShouldと似たような表現です。ただ、「You want to know about business manners.(ビジネスマナーについて、あなたは知った方が良いよ)」と、カジュアルな伝わり方になってしまいます。
そこで、「You may want to know about business manners.(ビジネスマナーについて知っておくのはどうでしょう?)」と、mayを入れることでビジネスシーンでも自然な表現ができます。
3-7.Wantの使い方7:否定形での表現

Wantを使った否定形では、一般的な動詞の否定表現ルールと同様に、I don’t want(to)~と、wantの前にdon’tを入れます。
You don’t want to~(〜をしない方が良い)
相手への助言・提案になる「You want to~」を否定形にすると、以下例文のように「〜をしない方が良い」と相手に伝わります。
- You don’t want to do it.(それはしない方が良いです)
- You don’t want to eat too much.(食べ過ぎはしない方が良いです)
類似する表現でhave to(don’t have to)もあり、ニュアンスに応じて使い分けるとより英語表現に自信がつくでしょう。
4.Wantと似ている動詞との比較
WantやWant toの表現・意味について一通り解説しましたが、〜が欲しい・したいニュアンスに関して似ている動詞もあります。
4-1.Hope:実現する意志が強いイメージ

Hopeも願望などを伝える時に「〜をしたい」と表現できる動詞ですが、より叶う可能性が高く実現への意志が強い場合に使います。
- I hope you have a good day!(良い一日を!)
- I hope he will be happy.(彼が幸せになってほしいです)
強い意志をもって実現したいことや、100%なるかどうかは分からないけど充分な可能性がある事柄に関して、Hopeで伝えられます。
4-2.Wish:実現性は別としてしたいこと・願いを言う

一方でWishも願いや〜したいといった意味もありますが、Hopeと比較して実現性・現実性は低いとされます。
- I wish I went there, but we have a meeting.(そこに行ければいいのですが、会議があります)
→会議によって実現性が低い事柄 - I wish I were a bird.(鳥になれたらいいのに)
→鳥になりたい願望はあるものの、非現実な事柄
いわゆる英語の仮定法の一つとして活用されるもので、「宝くじ1等当たればなあ」くらいの可能性が低い内容などでWishが使われます。
4-3.I feel like:〜をしたい・欲しい気分である

〜をしたい意志について、少し曖昧に・遠回しに表現できるイディオムで「I feel like~」があります。
- I feel like slacking off my work.(仕事をサボりたい気分です)
- What do you feel like eating?(何を食べたい感じでしょうか?)
何気なくつぶやいたり、本当に実行する気はあまりないけどなんとなくしたい気分の時に使う表現です。
このlikeは〜が好きを意味する動詞ではなく、〜のようだと示す前置詞の役割があります。似たような使い方でLook like(〜のようだ)もありますね。
4-4.Need:必要な状況・シーンが読み取れる

NeedもWantと似たようなイメージはありますが、必要であると訳されるようにただ欲しい・したいだけでなくしなければならない・必須である状況が読み取れます。
- I need your help.(あなたの助けが必要です)
- I need to get some sleep.(寝ておく必要があります)
必要性を感じるような場合には、Needを使って差し迫っている背景を表現できるでしょう。このように、同じような〜したい・欲しいでも、異なるニュアンスを使い分けられると自然な英語表現が身につきます。
5.Wantの使い方を理解できれば日常会話で自信がつく!
Wantのコアイメージである「足りないものを補う」意味から派生する用法を一通り知っておくことで、〜をしたい単純な表現だけでなく相手への提案や要望・丁寧な打診など幅広い言い方ができます。
今回解説したWantはいわゆる基本動詞の一つで、英会話における大事な英単語です。単純な動詞ですが、多くの意味や用法があるので理解しておくと英語表現が楽になります。
ほかにも、Wantと同じく大事な基本動詞がありますので以下のリンクからご参考ください。難しい英単語を覚えなくても、最重要な動詞を使いこなせば英語を話せるようになれます!
【無料配布】リスニング学習のお役立ち資料をご紹介!

・初心者でも無理なく英語の聞き取りができる方法
・効果的にリスニングスキルをアップさせるコツ
・初心者から上級者まで10STEPで段階的にレベルアップ!
Aloha Englishの講師より監修しましたリスニング学習ガイドでは、10段階のステップにまとめた英語の聞き取り対策をご紹介しています。実践的なノウハウを知りたい方や、少しずつ英語が聞き取れるようになりたい方など、ぜひご参考ください!
コメントを投稿するにはログインしてください。