CEFR(セファー)について、英検やTOEICと似たような感じで聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
近年、注目されているCEFRは英語など外国語のスキルレベルや取得状況について判断する国際標準で、CEFRを知っておくことで自分がどれほどの語学スキルがあるか、客観的に示すことができます。
など、今回はCEFRに関する知識・お役立ち情報を一通り解説いたします。ご自身の英会話レベルや、TOEICなどスコア目標の確認などでご参考ください!
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CEFRは「Common European Framework of Reference for Languages」の略で、日本語での名称は「ヨーロッパ言語共通参照枠」であります。
「European」の単語があるように、CEFRはヨーロッパ共通で使える言語教育、および評価の方法に関するガイドラインで、ヨーロッパ(EU)内でどれほどの語学レベルなのか判断する指標となります。
現在ではヨーロッパ圏内に限らず世界各地にて、国際的な評価基準としてCEFRが利用されています。
英語など多数の言語に共通してレベル判断できる指標であったり、具体的に何ができるのかというスキル習得状況が分かることなど、CEFRには大きなメリットがありますね。
CEFRのレベル判定をするメリットでは、共通の基準から英語力を客観的に示す点があります。例として、英語検定やTOEICは日本国内において知名度が高く、就職・転職での採用条件でも英検2級以上とかTOEIC600点以上など、利用できる資格とされています。
ただ、海外の大学や転職になると英検やTOEICが利用されるケースは稀であり、海外ではTOEFLやIELTSが一般的となります。そこで、海外で認知されていない英語検定では「英検2級を取得しており、CEFRのB1レベルに相応します」と、共通指標であるCEFRと対応することで英語力を示しやすくなりますね。
また、英語に限らずフランス語など別の言語を学んでいる人がいた場合、複数の異なる言語能力で英語とフランス語のどちらが堪能なのかを判断する上でも、CEFRのレベル判定が信頼できる指標となります。
それと、CEFRの指標では単純な知識レベルだけでなく、実用的な会話・コミュニケーション能力に関する習得状況を示せるため、客観的にも言語スキルの程度がわかりやすい利点があります。
特に海外企業への転職や、海外にある大学への進学などでCEFRの評価基準を提示する機会が多いため、グローバルを意識した進学やキャリアアップでは、CEFRの利用頻度も高くなっていますね。
参考までにCEFRの歴史に触れると、1964年から続いてきた欧州評議会の言語教育における成果として、2001年にCEFRが発表されました。
などのポイントを実現したのがCEFRで、半世紀以上による研究・分析で実用的な言語基準が生まれました。2018年ではCEFRの補遺版が公表されており、作成に関してはEU諸国など英語圏だけでなく日本を含むアジア、中南米などの国々からも協力があり、より洗練された世界基準となりました。
世界的に見ると広く活用されています。英語圏内であるEU諸国のほか、シンガポールやベトナム、マレーシアなどのアジア地域でも英語教育・政策でCRFRが利用されています。
日本でも、義務教育においてCEFRの活用が始まり、以下でも説明しているCEFR-Jが開発された経緯があります。2020年より始まった新学習指導要領では、CEFRとCEFR-Jが一つの基準になっているほか、大学入学共通テストに関する英語の難易度・レベルもCEFRが使われています。
英語教育における問題点・課題も多い日本ですが、英語コミュニケーションの実用的な言語スキルを上げていくために、今後もCEFRのレベル基準が浸透していくでしょう。
CEFRでは全部で6段階のレベルがあり、低いレベルからA1・A2・B1・B2・C1・C2があります。それぞれのレベルでは、具体的な言語運用能力の基準があり詳細は以下の表でまとめました。
A1〜A2:基礎段階の英語使用者(初級レベル) | |
A1 | 一般的に使われる日常的表現や基本的な言い回しは理解して、言語を用いることができます。 自分や他人を紹介することができて、住んでいるところや、好きなものや趣味など個人的情報 について、簡単に質問をしたり答えたりすることができるレベルです。 |
A2 | 基本的な個人情報や家族情報、買い物や地元の地理、仕事など直接的関係がある内容に関して は、文やよく使われる表現が理解できます。簡単で日常的な範囲なら身近で日常の事柄につい て、会話のキャッチボールができるレベルです。 |
B1〜B2:自立した言語使用者(中級者〜準上級者レベル) | |
B1 | 仕事や学校、娯楽などで普段接するような話題について標準的な話し方であれば、主要な点を 理解できます(リスニングが可能です)その言葉が話されている地域にいるときに起こりそう な、大抵の事態に対処することができます。身近な話題や個人的に関心のある話題について、 正しい文法にて簡単なライティングも可能です。 |
B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の 主要な内容を理解できるレベルです。ネイティブ(母語話者)とはお互いに緊張しないで普通に やり取りができるくらい、流暢かつ自然なスピーキングができて幅広い話題について、 明確で詳細な文章を作ることが可能です。 |
C1〜C2:熟練した言語使用者(上級者・ネイティブレベル) | |
C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章も理解して、含意を把握できる。 言葉を探しているという印象を与えずに、流暢にスラスラと、また自然な言語表現ができます。 社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることが できます。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることも可能です。 |
C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができます。 いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめた上で、 根拠も論点も一貫した方法で再構築できます。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができます。 |
▷参考:独立行政法人 大学センターより
最も高いレベルであるC2になると、ネイティブと遜色なくペラペラと話せるくらいの技量となります。逆に最もレベルの低いA1は、「Where are you from?」と例えば質問された場合、「I’m from Osaka.」と簡単な受け答えくらいなら可能といった初級者のスキルだと判断されますね。
各レベルの詳細や具体的な英語力など、CEFRのレベル別解説ページでも取り上げていますのであわせてご参考ください。
日本の英語教育にあわせた基準として、「CEFR-J」の構築も2008年から開始されました。CEFRの言語レベルとは別に、初級者〜中級者の多い日本人向けに作られた枠組みです。
以下の参考資料でも掲載されていますが、80%の日本人はCEFR:A1~A2レベルに属しています。それだけ英語初級者が多い日本では、より細かいレベル分けをする必要があります。
英語が苦手だと、CEFR:A1からA2までのレベルアップも長く感じ、自分がどの辺りの英語力まで上達しているのか実感しない懸念点もあります。そこで、A1・A2など各レベルの段階を小分けにすることで、より正確な英語力を確認することができます。
具体的には以下表の通り、CEFRでは6段階のレベルであるのに対して、CEFR-Jだと12段階に分類されます。
CEFR基準 | 言語力 | CEFR-J基準 |
C2 | 熟練した言語使用者 | C2 |
C1 | C1 | |
B2 | 自立した言語使用者 | B2.2 |
B2.1 | ||
B1 | B1.2 | |
B1.1 | ||
A2 | 基礎段階の英語使用者 | A2.2 |
A2.1 | ||
A1 | A1.3 | |
A1.2 | ||
A1.1 | ||
PreA1 |
以下では、CEFRの6段階(A1〜C2)を基準に説明しますので、ここでは日本版のCEFRもあるくらいの大まかな認識で問題ございません。最新のCEFR-Jの内容や研究結果については、公式サイトよりご確認いただけます。
▷参考:CEFR-Jの公式サイト
CEFRの役割や英語力の基準について、より詳しくご説明いたします。以下のポイントを確認しておくと、CEFRを参考にした英語学習の目標が立てやすくなるでしょう。
CEFRで勘違いされやすいポイントとして、TOEICなどの検定試験と同じような感じで試験やテストがあると思われていることがあります。
前述の通り、CEFRは他の外国語検定試験の結果・スコアを基準としたレベル判定という役割になりますので、CEFR独自の試験はありません。
そのためCEFRのテストを受けてA2と診断される訳ではなく、TOEICや英検など各試験の結果を基にレベルを判断します。詳しくは以下でも説明しますが、TOEIC500点だからA2、英語検定準1級だからB1~B2レベルといった感じで熟達度が分かります。
TOEICや英検などは、600点や2級など具体的な数値・定量的な評価がされますが、CEFRでは「CAN-DOディスクリプタ」という基準があります。
CAN-DOディスクリプタは「何ができるか+記述=能力記述文」という意味で、言語を使ってできることを具体化します。
例えばCEFR:A1〜B1レベルの基準だと、
といった具合で、英語を使ってどのような場面・トピックで対応できるかがCEFRで基準化されています。
「自分はA2レベルだから、もっと自己表現や意見などをスピーキングできるようにしたい」とか「あまり英会話に自信がなくても、TOEIC500点くらいは取れているから簡単な英会話はできそう」など、英語コミュニケーションのスキルイメージができることから、実用的な指標だと言えますね。
A1〜A2レベルの初心者は、B1レベルの中級者が目標となります。B1レベルまでになれば、プライベートや仕事において英会話ができる幅が広がり、英語コミュニケーションの強みを感じるようになります。
B1〜B2レベルは「自立した言語使用者」とされており、CAN-DOディスクリプタの基準例は以下の通りです。
といったレベル感で、日常会話レベルならバイリンガルや翻訳ツールなど使わなくても対応できる英語力で「自立した」コミュニケーションが可能です。
▷参考:国際交流基金「自立した言語使用者」を育てる中級教材の開発
B1レベル以上になると、英語で話せることが広がり「もっとスピーキングを改善しよう」「英語で話せるトピックや弱点対策を使用」など、主体的な目標設定・学習も進みます。
ある程度英語が話せるB1レベルでは、英語学習のモチベーションも向上してより高みを目指すイメージや英会話の習得目的も具体化します。ビジネス英語でも充分通用するB2レベルまで、もう少しの段階になればより希望が見えてきますよね。
ただ、A2からB1の伸び悩み・挫折を感じる初心者も多く、A2で諦めてしまうケースが多々あります。ブレイクスルーまで学習が持続することが大事なので、以下で紹介している学習ステップもぜひ参考にしてみてください。
CEFRでのレベル確認など活用をすることで、キャリアアップや大学試験、効率的な英語学習などメリットが多くあります。
CEFRによる英語力の基準でも説明しました通り、グローバルな英語力の指標・評価で活かすことができます。
ビジネス・キャリアアップでCEFRの活用がされており、語学能力の評価基準になったり外資系企業における採用者の条件などあります。
自分の英語力をCEFRで評価されれば、日本に限らず海外の企業でも「この人材なら言語面のスキルで問題ないだろう」と客観的に認めてもらえる材料になり、転職や昇進で役立ちます。
CEFRを導入・合格基準にしている大学は海外だけでなく国内にも一部あります。
英検などを受験してCEFRのレベルについて提示できる場合、試験への点数加算や試験自体の免除といったアドバンテージもありますね。今後も、日本の英語教育が見直されてコミュニケーション・アウトプットの学習頻度が増えれば、CEFRはより注目されるでしょう。
TOEICや英検などは、スコアアップや合格などの結果を目的としていますが、CAN-DOディスクリプタでも明記されているようにCEFRは実用的なコミュニケーション能力を評価軸に置いています。
CEFRのレベル確認を本格的にする場合、アウトプットスキルが必要になるIELTSやTOEFLの対策も必要となるでしょう。
外資系企業の転職では、世界的に活用されているIELTSの方が需要が高く、リスニングやリーディングのほか、ライティングやスピーキングなどアウトプットのスキルも求められます。
そのため、CEFRのレベル基準をきっかけに話すこと・相手とのコミュニケーションスキルも意識されます。ただ勉強するだけでなく、英語を使う・話す能力の目的・ゴールが生まれて、実用的な英語スキルが習得できます。
「大学受験で有利になるから」「外資系企業の求人条件であったから」という理由も大事ですが、よりCEFRの本質や言語力の強みを得るには幅広い英語スキル対策も必要です。
CEFRのレベル確認をするメリットとして、自分の英語力の振り返りや正しい学習目標もあります。
英語のレベルチェックは大事で、自分のスキルに合わせた対策が必須です。
ある程度の英語レベルがあると思っていて、アウトプット中心の学習をしたところレベルが高く挫折したり、逆も然りで英語力がないと感じて基礎対策ばかりしていたものの、実際は英語の基礎知識は充分にあったら学習が非効率だったというケースもあります。
ですので、本格的な英語学習を始める際にはTOEICなどの英語資格を最初に受けておくと、学習の方向性を間違えずに済みます。
また、CEFRのレベル確認は1回だけでなく定期的なチェックがおすすめです。
英語学習をより効率的に行うためにも、振り返りは大事ですね。関連記事でも、レベルチェックでおすすめのスピーキングテストを紹介しています。
英語検定やTOEICなど、各試験の結果とCEFRとの比較について以下で詳しく解説しました。以下の対照基準では文部科学省のデータなど参考にしておりますが、主要な試験である英検とTOEIC、IELTSやTOEFLの各スコアと、CEFRのレベル対照をチェックしておきましょう。
正式名称:実用英語技能検定である英検は、公益財団法人日本英語検定協会より実施されている資格試験では中学や高校の時に受験した方も多いのでないでしょうか。
国内最大級の受験者数である英検は以下のような試験構成になっており、1~3級と4~5級で測定する技能数が変わります。
CEFRとのレベル比較ですが、以下表の通り英検1級〜3級までの範囲においてCEFRのA1~C1まで該当します。英検3級(または準2級)の合格レベルで、CEFRのA1(初級者レベル)に入るといった具合ですね。
ある程度使える英語スキルを目指す場合、2級〜準1級あたり(CEFRのB1〜B2レベル)が一つの基準になるかと思います。
CEFRのレベル | 英検の各級 | 英検CSEスコア | |
C2 | ※対照なし | ||
C1 | 1級 | 2600~3299 (1級合格スコア:2630) | |
B2 | 準1級 | 2300~2599 (準1級合格スコア:2304) | |
B1 | 2級 | 1950~2299 (2級合格スコア:1980) | |
A2 | 準2級 | 1700~1949 (準2級合格スコア:1728) | |
A1 | 3級 | 1400~1699 (3級合格スコア:1456) |
また、英検では2020年度から英検CSEスコアが採用されまして、より客観的に英語レベルを判断できるようになりましたので、CSEスコアとの対象も掲載しました。
TOEIC(トーイック)も日本国内で認知度が高く、最近ではビジネスシーンでの英語力評価の対象として活用されています。
日本国内では、国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)より運営されていますが、TOEIC L&Rテスト(リスニングとスピーキング)とTOEIC S&Wテスト(スピーキングとライティング)の2種類があり、各スコアのCEFR対照は以下表の通りです。
CEFRのレベル | TOEIC L&R | TOEIC S&W | ||
Listening | Reading | Speaking | Writing | |
C2 | ※対照なし | |||
C1 | 490~ | 455~ | 180~ | 180~ |
B2 | 400~ | 385~ | 160~ | 150~ |
B1 | 275~ | 275~ | 120~ | 120~ |
A2 | 110~ | 115~ | 90~ | 70~ |
A1 | 60~ | 60~ | 50~ | 30~ |
TOEIC L&R(990点満点)の方で考えると、550点〜600点ほどのレベルからCEFRのレベルで言うB1(中級者)に該当します。社会人の方で一からTOEIC対策をするといった場合でも、600点が一つの目安になります。
当サイトでは、オーバーラッピングなど基本的なリスニング対策やTOEIC対策について別記事でご紹介していますので、あわせてご参考くださいませ。
▷参考記事:英語が苦手な方でもTOEIC600点を目指せる対策を解説
IELTS(アイエルツ)は海外への留学や移住を目的に、英語力を証明するテストとして利用されています。
国際通用性が高いことや、リスニングやリーディング、ライティング、スピーキングの4技能それぞれのレベル(バンドスコア)とトータルのバンドスコアで判定するなど、より実用的な英語スキルを判断できます。
CEFRのレベル | IELTSのバンドスコア |
C2 | 8.5-9.0 |
C1 | 7.0-8.0 |
B2 | 5.5-6.5 |
B1 | 4.0-5.0 |
A2 | ※対照なし |
A1 |
IELTSでは、CEFRのB1〜C2まで対照範囲となっており、英語圏の大学へ留学する場合にはバンドスコア6.0~6.5が一つの基準となります。海外への留学や就職では、CEFRのスコアでB2以上の技能が必要になってくるでしょう。
TOEFL(トーフル) iBTテストも、海外での留学目的で受験をする機会が多く4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)より、総合的な英語力を判定します。
TOEFL iBTは難易度の高いテストで、大学講義で使う専門用語が出てくるアカデミックな問題や、試験時間が約3時間半と長いことなど、英語初心者にとって大変なポイントがありますね。
CEFRのレベル | TOEFL iBTのスコア |
C1 | 95-120 |
B2 | 72-94 |
B1 | 42-71 |
A2 | ※対照なし |
A1 |
TOEFL iBTは4技能で各30点、満点120点であり、CEFRのレベルではB1〜C1まで該当します。海外の大学進学で必要なレベルでは、B2ほどのスコアが一つの基準となるでしょう。
ケンブリッジ英検は、グローバルスタンダードの英語検定試験で世界130カ国以上で利用されています。
日本ではあまり馴染みがありませんが、ケンブリッジ大学英語検定機構はCEFRの開発にも関わっていることもあり、CEFRとの関連度も高く世界的にも知名度が高いです。
CEFRのレベル | ケンブリッジ英検のレベル(5段階) |
C2 | C2 Proficiency |
C1 | C1 Advanced |
B2 | B2 First |
B1 | B1 Preliminary |
A2 | A2 Key |
上表の通りケンブリッジ英検は5段階に分かれて、ビジネスシーンでも通用する英語レベルを目指すには「B2 First」が基準となります。
GTEC(ジーテック)は、ベネッセコーポレーションによる英語4技能のテストで、大学入試に活用できることや、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの各技能別でスコアリングできる特徴があります。
英語レベルに合わせて、「Core:上限840点」「Basic:上限1080点」「Advanced:上限1280点」「CBT:上限1400点」の4種類の問題タイプを選べます。
CEFRのレベル | GTECのスコア |
C1 | 1350〜1400 |
B2 | 1190〜1349 |
B1 | 960〜1189 |
A2 | 690〜959 |
A1 | 270〜689 |
Pre-A1 | 0〜269 |
学生向けの検定試験ですが社会人でも受講者が多く、スピーキングなど各技能のスコアが明確になるメリットがあります。
TEAP(ティープ)は「Test of English for Academic Purposes」というアカデミック・大学研究で必要な英語力の評価テストです。
GTECと同様に、4技能でのテスト評価がされますが大学教育や留学を想定した言語力を測るもので、大学入試を控える高校生を対象にしております。
CEFRのレベル | 総合スコア | リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング |
C1 | 375~400 | 90~ | 90~ | 96~ | 99~ |
B2 | 309~374 | 68~89 | 71~89 | 82~95 | 88~98 |
B1 | 225~308 | 54~67 | 52~70 | 59~81 | 60~87 |
A2 | 135~224 | 34~53 | 34~51 | 33~58 | 34~59 |
上智大学をはじめ、英語外部検定利用入試で活用されるテストで、英語の試験が免除されたり「TEAP利用型入試」を受けられるメリットなどあります。
CEFRのレベル基準や英語資格との対照で具体的な目標が明確になった上で、英語レベルを上げるための対策・学習を実践してみましょう。
繰り返しになりますが、英語習得ではまず英語力チェック・CEFRのレベル確認を優先的に行いましょう。
自分の英語レベルを確認できると、一つ上のステップ・目標で必要な対策やスキルが見えてきます。英語のレベルチェック・確認方法について、関連ページでも解説していますのでご参考ください。
CEFRのレベルチェックをする際、英会話の苦手意識がある初心者の多くがA1〜A2レベルに該当するかと思います。下のレベルですが、落ち込むことはありません。B1までのステップアップは一つの壁ですが、ネイティブレベルまでの英語力は求めておらず、独学で上達できる目標です。
CEFRの英語レベルを確認して、目標達成するまでの学習計画を検討します。第二言語の習得は基本的に、自主学習での勉強量をいかに確保するかが大事ですね。
英語学習の計画では、「3ヶ月目には英語基礎を8割ほど理解できるようになる」とか「半年でスピーキング・アウトプットまでレベルアップする」など、長期的なスケジュールも必要です。
その長期スパンでの目標を達成するために、1日ごとの学習目標をコツコツ満たすことが求められます。関連記事でも詳しく説明していますが、1日の学習時間や英語基礎・リスニングなど単元ごとのカリキュラムを決めておくと、英語習得に向けてコミットしやすくなります。
英語の習得やCEFRのレベルアップにおいて、「どのくらいの時間をかければいいのか?」「必要な勉強量は?」といった疑問もよくあります。
結論から言うと個人差があるので、明確な勉強時間を断言するのは難しいです。ただ、英語初心者(A1〜A2)が一つ大きなブレイクスルーを体験して中級者(B1)にステップアップするには、300時間ほどの勉強量が一つの目安となります。
英語学習で必要な勉強時間として、社会人からの習得でも最大1,000時間は必要で、日本の英語教育における課題も考慮すると1,000〜2,000時間ほどの勉強量は確保すると言う考え方もあります。
ただ、英語習得=C1レベル(バイリンガル相当の英語力)を考えると、B1までの英語力を目指すなら、1,000時間までなくても達成できる可能性は高いです。300時間でも長いですが、半年ほどの期間を見れば1日90~120分で実現できます。学習継続をすれば成果を得られるでしょう。
具体的な英語対策で、特に初心者の場合には基礎知識を学ぶインプットを優先的に行います。
英語・英会話の上達では、スピーキングなどアウトプットも重視しがちですが、インプット学習が足りていないと英語を話せるようにはなりません。
英語力を鍛えるにはまず、中学英語レベルの文法・構文から確実に理解しておきましょう。CEFRでの基準でもある「日常会話レベルのコミュニケーション」や「簡単な応答」など、英語表現をするための知識が必要です。
文法など基礎知識が身に付いていないと「Yes/No」などの単語レベルの会話しかできなかったり、語順がメチャクチャな表現で相手に通じないなど、初歩的なコミュニケーションも難しくなります。英語が苦手でも続けられる勉強方法を参考に、独学から対策してみましょう。
英会話のスキルを伸ばすには、幅広いトピックに対応できる語彙力も対策しておきましょう。
具体的な語彙力・覚えるべき単語数は諸説ありますが、参考までに海外のメディア(第二言語習得に関心があるユーザー向けの質疑応答サイト)より、以下のような基準がありました。
【CEFRの各レベルに応じた語彙力(単語数)】
▷参考サイト:What are estimates of vocabulary size for each CEFR level?
他にもA1:300など別の仮説もありますが、傾向としてはCEFRのレベルが一つ上がるごとに、覚えるべき単語数が倍になっていきます。それだけ、幅広いトピックに対応するためには幅広い語彙力が必要になりそうです。
ただ、たくさんの英単語を覚えようと思って暗記対策だけするのは望ましくなく、語彙力を鍛えるには英単語をアウトプットで使って覚えるのが効果的です。詳しくは関連記事でも、英単語の対策を解説しています。
英会話・アウトプット学習を繰り返し行い、より実践的な英語コミュニケーションを習得します。
英単語の学習要領でも説明しましたが、英語を使えるようになるには知識的に覚えるだけでなくアウトプットでの実践がおすすめです。
覚えた英文法や単語をスピーキングやライティングで表現して、実際にどのような英文ができるのかトレーニングをすることで、英会話も徐々にできるようになります。
より高いCEFRのレベルを目指すには、アウトプットとインプットのバランスが大事です。両方を継続して行わないと、知識不足によるアウトプットの苦手意識や、英会話の練習不足でインプットした知識が身に付かないなど、学習効率が悪くなります。
英語上級者が伸び悩む理由でも、インプット学習量の不足があります。英語学習での課題感や伸び悩みを感じた場合、勉強のやり方やインプット・アウトプットの問題点をチェックしてみるといいでしょう。
CEFRは客観的な英語レベルの評価で活用できる一方で、英語コミュニケーションなど実用面で気になるポイントもあります。
CEFRは海外転職や留学で役立つ評価指標ですが、日常英会話やビジネスシーンなど実用的な英語コミュニケーションを習得する目的が強いなら、資格対策にこだわる必要はありません。
IELTSなど4技能のテストなら総合的な英語力対策ができますが、インプット学習メインのTOEICだけでは英語を話せません。
TOEIC900点以上であれば外資系企業への転職可能性も広がる一方で、英会話が全くできない人も一定数います。
スピーキングなどアウトプットが苦手な場合、英語を話すために必要なスキルを総合的に対策しましょう。
英会話学習でおすすめの勉強法・習得までのステップを参考に、ただ勉強するだけでなく実践的な英会話スキル・コミュケーションの経験を積むといいですね。
また、CEFRのレベル指標もある程度の正確さはありますが、実践的な英会話力との誤差も考えられます。
TOEICのスコアアップや英検の対策に偏りすぎると、インプット学習や英語の知識面において充実はしますが英会話スキルまで伸びないこともあります。そのため、あくまでCEFRは一つの基準として考えておくべきで、ビジネス英会話などリアルなコミュニケーションの経験を積みたい場合には別の対策も必要です。
CEFRのレベル確認や学習対策について、一通りご説明しました。独学での対策でも英語力は伸びますが、「CEFRではA2レベルだけど、実際の英会話力はどうなのか?」とか「自分に合った英語学習ができているのか?」など、不安な部分もありますよね。
そこで、Aloha English英会話ではスピーキングテストのトライアルより、一人一人のCEFRのスコアを正確に判定させていただきます。
はじめてAloha Englishをご利用される方向けに、無料体験レッスンやカウンセリングなどから英語学習に関するご希望などお伺いさせていただきますので、お気軽にご活用いただけますと幸いです。
▷参考:Aloha English英会話のスピーキングレッスンについて
スピーキングの独学方法など、お悩みに対するアドバイスもさせていただきますので、まずはトライアル・カウンセリングよりお話ししてみてはいかがでしょうか。オンライン英会話など契約をしなくても、カウンセリングから相談することも可能です。
Aloha English英会話の専門家が
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担当者がじっくり日本語でお話をお伺いします。
英語で話すことが苦手な方はぜひご相談ください。
英語の聞き取りに関するお悩みもご相談できます。
英会話力を上げるための方法についてもご相談できます。
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