BringとTakeは一見したところ、どちらも持っていく・連れていくといった意味で使い分けはどうすればいい? と悩む人もいるでしょう。
すごくシンプルに考えると、Bringは相手に近づく(持って来る)イメージであるのに対し、Takeは相手から離れる(持っていく)違いがあります。
BringとTakeの違いや使い分けなど、例文とあわせて解説していきます。前置詞との組み合わせでもそれぞれ差別化できたり、持っていく意味で近い動詞との比較もしてみると、より英語表現の理解が深まるでしょう。
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1.BringとTakeの違いとは?
Aloha English英会話で、よく生徒さんから「BringとTakeはどう違いがあるのでしょうか?」といった質問があります。
確かにこれらの2つの言葉は意味が似ていて、使い方に迷ってしまいます。両方とも「もの(人)をどこか動かす」という意味になるのですが…
似ているようで同じではない2つの英単語、ネイティブはどのように使い分けているのでしょうか。スムーズに表現できるようにBringとTakeのコアイメージから解説していきます。
1-1.Bring:離れている場所から持って来る
Bringは「もの(人)をどこかに動かす」と「もの(人)を話し手(聞き手)のところに動かす」の2つの使い方があります。
①Would you like me to bring your guitar?
「あなたのギターを私が持って行きましょうか?」
→ギターをあなたの所に持っていく。
②Could you bring me something to drink?
「何か私に飲み物を持って来てくれませんか?」
→飲み物をどこからか自分のところに持って来る。
①の例文では「私が(離れいるところ)あなた(話の中心)のところへギターを持っていく」という意味合いでBringが使われています。
②の例文では「あなたが(離れているところ)私に(話の中心)何か飲み物を持ってきてくれませんか?」というニュアンスです。
どちらもどこを話題の中心としておいているかが重要になります。
1-2.Take:どこからか近くへ持ってくる
Takeは「もの(人)を話し手(聞き手)のところからどこかに動かす」という意味があります。話をしている人または聞いている人の場所から物を動かす場合に、Takeを使うことができます。
①I will take him to the park.
「私が彼を公園まで連れて行きます」
→自分の所から連れていく。
②Please take away these dogs from me.
「それらの犬を私から遠ざけてくれますか?」
→自分から遠ざける。
③Take an umbrella with you.
「傘を持って行きなさいよ」
→自分の所(家)から持っていく。
例文の①も②も話の中心からどこか違うところへ連れていく(持っていく)ときにTakeが使われています。
③も少しわかりにくいですが、これも一緒です。傘がおいてある自分の家が話の中心。そして外へ出かけることが離れている場所。中心から外へという意味でTakeが使われています。
1-3.日本語訳に頼らずコアイメージで違いを理解する
BringとTakeの違いは「誰の視点から見て、どこからどこへ」ということがポイントになります。
- Bring:どこか離れたところから自分の近く(話の中心)持って来る
- Take:自分の近く(話の中心)からどこか離れた場所に持っていく
ただ、一つ注意点があり単純に日本語訳だけで考えると正確なニュアンスを読み取れません。Bring=持って来る・Take=持っていくで覚えてしまうと、以下のような間違った認識が生じます。
「あなたのバッグを持って行きましょうか?」と言いたい場合…持って行く=Takeだから「Would you like me to take your bag?」と考えるのは間違い。
→相手のところへ持って来るので、bringが正しい!
日本語訳では持って行くになるものの、英語ではbringを使うシーンがあります。そのため、日本語の意味を基準にするのではなく、コアイメージで違いを理解することが大事ですね。
Takeは話し手・聞き手がいない場所へ行く
Takeのコアイメージは「自分の意志で手に取る・取り入れる」意味があり、どこかへ連れて行く・持って行く用法へと派生します。
ポイントとして、話し手や聞き手から離れた場所へ行くイメージがあり、上記の間違った例文「Would you like me to take your bag?」では、バッグは聞き手(You)のところへ持って行くので、Takeでは正しくないことが分かります。
Bringは話し手・聞き手がいる場所へ近づく
対してBringでは持って行く先に話し手や聞き手など、中心になる場所があります。同じ「持っていく」でも、以下例文の通り行き先が異なることでBringとTakeの使い分けができます。
- I took my camera to the amusement park.(私のカメラを遊園地に持っていきました)
→話し手や聞き手がいない場所へ向かうのでTakeを使う - I brought my camera to your house.(私のカメラをあなたの家へ持っていきました)
→話し手の家へ近づく・向かうのでBringを使う
話している相手が移動させる目的にいる場合、「来る」ニュアンスからBringが適切となります。
2.例文問題からBringとTakeの使い分けを確認
上記で説明したBringとTakeのニュアンス・コアイメージを踏まえて、以下5つの例文問題を解いてみましょう。こちらの例文ではそれぞれ「—-」の部分にbringとtakeのいずれかが入ります。
2-1.BringとTakeの使い分けを確認する例文問題
- Please —- this to my friend.
- She told me to —- her umbrella.
- I forgot to —- her umbrella.
- I always —- an eco-bag when I shop at the convenience store.
- I always —- an eco-bag when I go to the convenience store.
2と3、4と5は同じ物を持って行っていますが、発言する側や現時点でいる場所によってBringとTakeのどちらが適切かを考えます。
以下で解答を掲載しておきますので、まずは5つの問題全て解いてみましょう。
2-2.例文問題の解答はこちら!
以下で、例文の翻訳と解答を記載します。全部正解できましたか? 全て合っていれば、BringとTakeのコアイメージを理解できていると言えるでしょう!
- これを私の友人まで持っていってください(正解:bring)
- 彼女に傘を持っていってと言われました(正解:take)
- 彼女の傘を持って来るのを忘れました(正解:bring)
- コンビニで買い物をする時はいつも、エコバックを持っていきます(正解:bring)
- コンビニに行く時はいつも、エコバックを持っていきます(正解:take)
2と3は、話し手の視点から傘が離れる(持っていく)、傘がそばにある(持って来る)というニュアンスの差異があります。
また、4と5もほぼ同じような内容をいますが、4はコンビニにいる時を想定しておりエコバックをコンビニに持って行く=Bringが正しくなり、5はこれからコンビニへ行く(家から出かける)想定なのでTakeの方が自然となります。
3.前置詞で比較するBringとTakeの使い分け
「持っていく・持って来る」の用法から派生して、以下のような意味がBringとTakeにはあります。似たような感じですが、同じ前置詞でも意味が多少異なるので整理しておくといいでしょう。
前置詞 | Bring/Take + 前置詞 | 意味 |
about | Bring about | 〜を引き起こす |
– | ||
away | – | |
Take away | 取り去る | |
back | Bring back | 〜を思い出させる、〜を戻す |
Take back | 〜を取り返す、返す | |
down | Bring down | 〜を降ろす、倒す |
Take down | 〜を書き留める | |
in | Bring in | 持ち込む、取り入れる |
Take in | 取り入れる | |
off | Bring off | 見事にやってのける、成就する |
Take off | 離陸する、〜を脱ぐ | |
on | Bring on | もたらす、引き起こす |
Take on | 引き受ける、帯びる | |
out | Bring out | 出版する、〜を明らかにする |
Take out | 〜を引き出す | |
over | – | |
Take over | 引き継ぐ | |
to | Bring to | 〜を正気づかせる |
Take to | 〜を始める、〜にふける |
似通った意味が多く複雑に感じるかもしれませんが、これも以下のようにコアイメージから考えると覚えやすいですね。
- Bring about(引き起こす):何か事象的な物を起こす・持って来る
- Take away(取り去る):何かいらないものを遠くへ放つ
- Bring off(成し遂げる):成功や成果物を手繰り寄せるイメージ
- Take off(離陸する):飛び立つ・離れるイメージ
前置詞とのイディオムでも、Bringの中心・相手へ近づくイメージとTakeの離れていくイメージは共通します。
4.無生物主語によるBringとTakeの用法・活用
BringとTakeの用法に関して、無生物主語を使った英文もよく出てきます。少々難しい言葉を使っていますが、この無生物主語は普段の英会話でも自然に使うような表現です。
4-1.そもそも無生物主語の英語構文とは?
英語に限らず日本語でも、主語は私やあなたなど人や動物になることが多いですよね。ただ、移動手段や理由などを伝える時に、人や動物以外の主語が使えます。
人間や動物が主語にならない
無生物主語は以下例文のように、「電車があなたを連れていく」とか「彼女が仕事により行く」などの表現がされます。TakeやBringは特に、無生物主語による英文が作りやすいですね。
- This train will take you to Shibuya.(この電車で渋谷へ行けるでしょう)
- That bus brought me here.(あのバスでここまで来ました)
- Business took her to Nagoya last week.(仕事で先週彼女は名古屋へ行きました)
手段や結果などを示す・直訳では不自然な意味になる
無生物主語の傾向として、そのまま主語で訳すと不自然になります。上記の例文だと「この電車はあなたを渋谷まで連れて行きます」とか「仕事は彼女を名古屋まで連れて行きました」など、ぎこちないですよね。
少し解釈が必要で、電車が連れていく→電車で行けるとか、仕事が連れていく→仕事により行くといった意訳により意味が通じやすくなります。
4-2.無生物主語の場合でもBringとTakeの使い分け・基準は同じ
移動手段や目的・結果などを示す無生物主語の英文でも、BringとTakeの使い分け基準は同じです。
電車やバスなどが連れて行くからTakeの方がしっくり来そうですが、シチュエーションによってはBringが適切となります。
今いる場所にフォーカスされる場合はBring
例として、どうしてここに来たのか? と英語で質問をしたい場合には「What brings you here?」と表現できます。直訳で「何があなたをここへ連れて来ましたか?」となり、今いる場所を基準に考えるとBringが適切です。
また、上記の例文で「Business took her to Nagoya last week.」とありましたが、「先週、このオフィスに彼女来ていましたよ」と話し手がいる場所が中心になる場合には「Business brought her to this office last week.」とBringが使えます。
離れた場所への移動を示す場合はTake
一方で離れた場所への移動となる場合には、Takeが自然です。
話し手や聞き手のいない場所へ行ってしまうようなケースで、「Ten minutes’ walk will take you to the station.(10分歩けば駅まで行けますよ)」という例文では、駅までの道案内をしているようなイメージですね。
5.BringやTakeと似ている動詞・英語表現との比較
BringとTakeの意味について「移動する・持って行く」に似ている動詞との比較もすることで、細かいニュアンスが読み取れます。
5-1.Carryは運ぶ・移動するニュアンス
運ぶ意味ではCarryも思いつきやすいですが、こちらはシンプルな運ぶ・移動する表現で、移動先に関する具体的なニュアンスは含まれていません。
例えば「Can I carry your luggage for you?(お荷物をお持ちしましょうか?)」という場合には、そのままの意味で何かを持ち運ぶ表現です。
基本的には物を運ぶイメージなので、TakeやBringで表現できた無生物主語(移動手段・目的など)ではあまり使われません。
参考:キャリーケースもニュアンスは通るものの和製英語
日本語でよく言う「キャリーケース・キャリーバッグ」は和製英語です。持ち運ぶという意味から通じそうですが、動詞のCarryに名詞のケース・バッグがくっつくのは文法的に不自然で、「ケース・バッグを持って行く」といった動作の説明になってしまいます。
英語でキャリーケースを伝えたい場合には、「suitcase」が適切です。車輪がついてゴロゴロと引っ張って行くようなカバンであれば、suitcaseで総称されます。
また、車輪がついているケース以外でも旅行用のカバン・バッグということを言いたい場合には、シンプルに「traveler bag」が分かりやすいでしょう。
5-2.Haveは所有しているイメージ・様々な意味での持つ
持つ動作に関してはHaveも一般的な基本動詞で、「My mother has two dogs(母さんは2匹の犬がいます・飼っています)」など、所有しているイメージから様々な意味での持つを表現できます。
BringやTakeと比較すると、持って行く先や移動などの具体的な情報はなく、ただ所有している・あるイメージです。
Haveは持つというコアイメージから発生して、食べるや病気になるなど幅広い活用がされます。関連記事でも、基本動詞Haveの用法・使い方を解説しています。
6.BringやTakeと似ている関係性・ComeやGoなどの基本動詞も覚えておく!
BringとTakeと関連して、ComeとGoの違い・使い分けも間違いやすいところです。ComeとGoも同じような関係性なので、あわせて覚えておくといいでしょう。
- BringとCome:どちらも相手・中心へ来る
- TakeとGo:どちらも相手・中心から離れる
行く動作についてComeとGoで混同しがちですが、明確な違いがあります。
6-1.相手のいる方向へ行く場合BringとComeが同じ
話し相手や話題の中心へ向かう・来る動作の場合には、Comeが適切です。相手や話題の中心へ持って来るBringと同じようなニュアンスになります。
- I came from japan.(私は日本から来ました)
→海外で相手と話しており、遠くから現地へやってくるイメージ - Can I come to you on Sunday?(日曜日にそっちへいっていいですか?)
→話し手のところへ来るイメージ
こちらの例文のように、相手との距離が縮む・話題へ近づく移動に関してComeが使えます。
BringとComeでは対立する関係も|他動詞と自動詞の比較
BringとComeは同じようなコアイメージがある一方で、他動詞と自動詞で異なる要素もあります。
- Bring:他動詞(他の単語が必要な動詞で、目的語がつきます)
- Come:自動詞(主語と動詞だけで成立するもので、目的語は必要でなくなります)
Bringの場合、持って来る物などの目的語が必要である一方、Comeは目的語がなくても来るなどの動作を伝えられます。
また、前置詞によって以下表の通り派生する意味が異なりますので、参考までに確認しておくといいでしょう。
前置詞 | Bring/Come + 前置詞 | 意味 |
about | Bring about | 〜を引き起こす |
Come about | 起こる | |
back | Bring back | 〜を思い出させる、〜を戻す |
Come back | 帰ってくる | |
down | Bring down | 〜を降ろす、倒す |
Come down | 降りてくる、伝わる | |
in | Bring in | 持ち込む、取り入れる |
Come in | 入る、流行する | |
out | Bring out | 出版する、〜を明らかにする |
Come out | 出版される、明らかにする | |
to | Bring to | 〜を正気づかせる |
Come to | 意識を取り戻す |
比較をしてみると、Bringは相手や物に何かをさせる側で、Comeは主体となって何かをする側であることが分かります。
6-2.相手や話題の中心から離れる場合TakeとGoが同じ
また、TakeとGoも似たようなニュアンスになり、BringやComeとは対照的に今いる場所や相手から離れていく動作を示します。
- I will go home.(もう家に帰りますね)
→別の場所から家へと離れていくイメージ - I have to go to the station.(駅へ行かなければなりません)
→今いる場所から駅へと向かうイメージ
一つ注意点で、日本語訳だけにとらわれてGo=行く・Come=来るだけで考えると、間違った伝わり方をします。
例えば職場で上司から「Could I have a minute of your time?(少しお時間いいかな?)」と離れたところから言われた場合、日本語で「今行きます」と返答できますよね。
そこで英語で行くを伝えるのに「I’m going.」と返答してしまうと、ネイティブの感覚ではどこか離れる=出かけるので無理です、といった認識をされてしまいます。
相手のところに近づく、来るイメージから日本語で「行く」と言えても英語では「I’m coming.」が正しくなります。このあたり、関連記事でも紹介しているコアイメージも意識してみるといいでしょう。
6-3.関連する基本動詞も理解できればより英語表現力がアップする!
BringとTakeの使い分けができるほか、関連する基本動詞を一通り覚えておくと英語表現のスキルが格段に上がります。
英単語・動詞には似たような種類が多い一方で、それぞれのコアイメージや使い分けを知っておけば幅広いスピーキングができるようになるでしょう。暗記だけでなく動詞の意味・イメージを理解できることが大事ですね。
詳しくは関連記事より、特に重要な基本動詞を厳選して解説していますのでぜひお読みください!
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