ディクテーションはどうしてリスニングに有効なのでしょうか?
ディクテーションは英語を聞いて、一語一句書きとる、学習方法です。聞いた英語を書き取るという行為は集中力を必要とします。そして音に合った単語を書き出すことで、ネイティブ発音を聞き分ける力が養われます。
英語の書き取りをする上で、必ず「聞き取れない」という壁にぶつかります。その「聞き取れない」原因を分析することで、具体的な解決策を導き出すことができます。つまりディクテーションはリスニング学習において、まず初めに学ぶべき内容なのです。
ディクテーションがスラスラ出来れば、基礎的なリスニング力が大幅に強化されます。TOEICや英会話でも役立つスキルです。この記事ではディクテーションのやり方やコツだけでなく、練習問題もご用意しました。基礎的な問題や簡単な単語なのに聞き取れない定番フレーズを音声付きで紹介しています。この記事を最後まで読んで頂ければ、リスニング強化の効果を実感頂けるでしょう。
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ディクテーションについて解説します。ディクテーションという言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。まずはディクテーションに関する基礎的な概要をご覧ください。
ディクテーションとは聞こえた英文を一語一句を丁寧に書きとるというリスニングの学習方法です。試しに以下の音声を書き取ってみましょう。
聞こえた通りに書き写す、これがディクテーションの基本です。
全文ディクテーションは聞こえた文章を全て書きとることです。一方、穴埋めディクテーションは穴が空いている箇所のみ、聞こえた英語を書きとります。全文ディクテーションは白紙の状態から書きとるので難しいですが、当スクールでは全文ディクテーションをおすすめしています。
穴埋めの場合、ディクテーション専用の教材を探す必要がある、または穴埋め用の文章をあらかじめ用意する必要があるため、手間がかかります。
ボトムアップは初めて扱う文章で書きとり、トップダウンは復習として行うディクテーションです。
ディクテーションは聞こえる英語を集中して書きとります。そのためリスニング時の集中力が上がります。その他にも以下のメリットがあります。
英語が聞きとれない原因がわかると、原因に対する学習方法を選択できます。リスニングを短期間で向上させるための効率化を図れます。さらに英語のプレゼンや長時間の会議などではNote-Taking(メモ取り)が重要となります。ディクテーションを学習することで、自然とメモをとる習慣が身につきます。
ディクテーションで聞きとった文章を音読や読解を併せて学習することで4つの効果を期待できます。
自分の力で書きとった文章を丁寧に学習することで、記憶に定着しやすくなります。良質な文章を扱うことで、自然な英語や新しい表現なども学べます。
ディクテーションをやる前に、リスニングをする文章の全体を2~3回程度聞きましょう。全体を把握しておくと、書きとる時間を短縮できます。
聞こえた英語を書きとりましょう。英語を一文ずつ流して、英語をディクテーションします。英文を全て書きとるまで、何度も英語を聞きます。
一文が長くて一回で書き取れない場合の対処法です。
意味をなすカタマリごとで文をきると書きとりやすくなります。
ディクテーションの書き取り練習問題をご用意しました。以下の音声を聞いて、ディクテーションを練習してみてください。英語の書き取りは集中力を必要とする学習です。時間を決めて(15分〜30分など)チャレンジすると良いでしょう。
ディクテーション練習①
ディクテーション練習②
ディクテーション練習③
ディクテーション練習④
ディクテーション練習①
ディクテーション練習②
英語を何度聞いても聞こえない場合や、スペルがわからない場合の対処法です。間違えても良いので、聞こえた通りにカタカナで書きましょう。答え合わせのときに、聞こえなかった原因を探るうえでも重要な手がかりになります。
カタカナだけでなく、上記の4つの方法を使って、聞き取れない箇所を補うこともできます。いずれも答え合わせをするとき、苦手な発音を探るための大切なヒントとなります。
まずは以下の英文を聞き取り、ディクテーションをしてください。音声の回答はこちらから確認できます。
うまく聞き取れない原因はネイティブの発音方法にあります。ネイティブは単語を連結させたりして、スペル通りに発音しません。この発音の変化をリエゾンと呼びます。
リエゾンの音の変化には3種類あります。リエゾンの仕組みについて知ることで、リスニング力が上がり、書き取りが上手くいきます。
英語の聞き取りを上達させるためには、以下の3つのポイントに気をつけて音読をすることが大切です。
先の音声を解説していきます。
上記の解説のようにリエゾンが頻発しています。加えて強弱のついたイントネーションが入ると、聞き取りの難易度はさらに難しくなります。確認ポイントに従って、音読練習をしてみてください。練習をした上で、もう一度以下の音声を聞いてみてください。
最初と比べると、幾分か英語の聞き取りができるようになっているはずです。
自分の英語レベルと教材のレベルが合っていないと、ディクテーションはできません。リスニング学習全般に言えることですが、自分の英語レベルより簡単な教材から始めることをお勧めします。
ディクテーション用の教材選びについてご紹介します。ディクテーションに必要なことは以下の2つです。
以上の2点があれば、どんな教材でも学習できます。Youtubeなどから探せばお金はかかりません。また参考書などはレベル別で購入できるので便利です。当スクールがおすすめする教材は「リスニング教材|学習レベルや目的別から選べる」を参考にしてください。
目的やレベルに合わせて、適切な教材を選びましょう。ディクテーションは1回で上手くはなりません。適切な教材を使い、何度も継続的に学習を進めることが大切です。
ディクテーションで書き取った英語を音読することで、リスニング強化の効果が段違いに上がります。しかし抑揚のない英語発音やリエゾンのない音読では効果を得ることができません。聞こえてくる音声と全く同じ発音で音読をすることが大切です。
正しい音読をするためにも、オーバーラッピングとシャドーイングという方法が効果的です。いずれもプロの通訳者が学習する本格的な方法なので、効果は絶大です。
聞こえた音にぴたりと合わせて音読をします。文章を見ながら音読する方法です。注意点は以下の通りです。
詳しい方法は「オーバーラッピングのやり方」を参考にしてください。
シャドーイングは文章を見ずに音読します。聞こえた音に少し(約0.5秒)遅らせて、聞き取った通りに発音します。通訳者になるためのトレーニング方法としてよく知られています。
注意点はオーバーラッピングと同じで、聞こえた音の通りに発音することです。詳しい方法は「シャドーイングのやり方」で詳しく解説しています。
音読練習が終わったら、英語を理解するスピードを速くします。サイトトランスレーション(サイトラ)という方法が効果的です。ディクテーションをするときに、書き取りと同時に英語を理解することが可能になります。
サイトラのやり方をご紹介します。
英文を意味のあるカタマリで区切ります。区切ったカタマリごとに、英語で読んで、日本語訳にします。サイトラを学習する上で注意したいことは以下の通りです。
英語から日本語にするときは素早く読み上げることで高い効果を得ることができます。詳しい方法は「サイトラのやり方」をご覧ください。
ディクテーションは聞こえた英語を一語一句書き取るため、リスニングをする際の集中力が高まります。さらにメモをとる力が身につくことや、聞き取れない原因を探る上でも、リスニング学習の序盤でおこなうと効果的です。
ディクテーションを学習する上で、必ず「聞き取れない」という壁にぶつかります。主な原因は以下の2つです。
記事内で適切な対処法をご紹介しているので、何度も読み返してください。特にリエゾンはリスニングにとって重要な知識です。ディクテーションだけでなく、音読や読解も併せて学習することで、飛躍的な効果を発揮します。何度もディクテーションをおこない、習慣的に練習するように心がけましょう。必ず成果が出ます、頑張って継続した学習をおこなってください。
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