GoとComeはそれぞれ中学英語で習うような動詞ですが、違いや使い分けが意外と難しく混同する人も多いです。
例えば、「今から家に帰ります」と英語で言う場合には、
- I go back home.
- I come back home.
この2つが思い浮かぶと思うのですが、一体どちらが正解なのでしょうか? そもそもGoとComeはどのような違いがあるのでしょうか?
といった疑問にお答えすべく、こちらの記事ではGoとComeのコアイメージから解説した上で、それぞれの違い・使い分けをシチュエーションや例文・イメージ図などで分かりやすく解説します!
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1.GoとComeの違いをコアイメージから比較
はじめに知っておくべきポイントとして、GoとComeのコアイメージがあります。
GoとComeの違いを端的に言うと、「どこからどこへ」ということです。日本語の「行く」と「来る」と似たような感覚です。
※「似たような」と表現したのは、実は行くと来るだけで区別するとGoとComeを間違った使い方をする原因になります。詳しくは以下で解説しますが、まずは行く・来るで概要をつかむといいでしょう。
- Go:近くから遠くへ行くイメージ
- Come:遠くから近くへ来るイメージ
話しているときに「話題の中心はどこか」ということを考えると、違いがすっきりするはずです。
1-1.Goのコアイメージ:近くから遠くへ行く

Goのコアイメージは以下の解説記事でも紹介していますが、「話題の中心から離れていく」ことが軸になります。日本語で言うと「行く」がシンプルな表現で、大枠的なイメージを説明するなら近くから遠くへ移動する感じです。
- I will go to my son’s school.(息子の学校へ行くつもりです)
- I have to go now.(もう行かなければなりません)
など、今自分がいる場所や相手と一緒にいる場所から遠くへ行くイメージで、とある目的へ向かう表現ができます。
1-2.Comeのコアイメージ:遠くから近くへ来る

対してComeは「中心・相手に近づいて来る」コアイメージがあり、Goとは対照的に遠くから近くへ来る動作が当てはまります。
- He come to my office yesterday.(彼は昨日、私のオフィスへ来ました)
- I will come to your house.(あなたの家に行くつもりです)
相手が自分のところへやってきたり、自分が相手のところまで訪れるなど距離的な縮まりがある場合にはComeが適切です。
誰かに呼ばれた場合も「I’m coming now.(今行きます)」と伝えるのが一般的で、話の中心へ向かうイメージができればComeの方が自然だと分かります。
1-3.GoとComeは形容詞との組み合わせでも使う
また、GoとComeは物理的な移動だけでなく状態の変化もよく表現します。それぞれ形容詞とセットにすることで、日常会話で使うような言い回しができるでしょう。
▷参考:英語の形容詞を基本から解説!
Go+形容詞:ネガティブな表現・状態の変化が多い

Go+形容詞では、とある状態への変化を意味します。近くから遠くへ、話題の中心から離れていくコアイメージから派生して、良い状態・ポジティブな自分から悪い方向へと向かう傾向があります。
- go bad(腐る)
- go wrong(上手くいかない)
- go broke(破産する)
- go blue(憂鬱になる)
- go dead(故障する)
「It goes well with beer.(これはビールによく合います)」などポジティブな言い回しもできますが、悪い意味の方が多いですね。
Come+形容詞:ポジティブなイメージ・変化が多い

これも対照的にCome+形容詞になると、良いイメージ・ポジティブな情報がやって来る・近づくニュアンスがあります。
- come true(叶う・本当になる)
- come good(正しくなる)
- come right(正しくなる)
- come clear(明らかになる)
- come complete(完璧になる)
などのフレーズがよくある例で、「本当なことが来る」「正しいことが来る」「完璧なことが来る」など、ポジティブな状態を招き寄せるようなイメージができると良いでしょう。
2.GoとComeの違いを行く・来るだけで考えるのは要注意
上記のコアイメージの説明では、Go=近くから遠くへ行く・Come=遠くから近くへ来るというのが要点になります。
ただ、行くと来るだけで考えると間違った使い方をしてしまいます。日本語での変換にとらわれず、コアイメージで認識するのが大事ですね。
2-1.日本語で「行く」という場合でもComeになるケース

日本語で例を挙げると、「家に行きます」と言う場合には行く=Goという認識になりがちですが、状況によっては間違いになります。
相手が家にいる場合にはcome home
話題の中心=相手に近づく動作に関しては、GoではなくてComeが適切です。そのため、「あなたの家」など相手が目的地の対象になる際には「I’m going to come your home.」と表現されます。
日本語訳にすると「あなたの家に行きます」となりますが、相手視点からすると自分は「来る」人間です。自分にとっては今いる場所から遠く離れる動作なので勘違いしがちですが、聞き手や読み手がいる場所へと来るのでComeが適切となります。
自分も相手もいない家に行く場合にはgo home
対して、自分も相手もいない自宅に戻る場合は「I’m going to go home.」となります。自分だけでなく、相手からも離れるような状況ですね。
また、相手から「さっさと家に帰りなさい!」と言われる場合にも「Go home quickly.」と表現できます。自分も相手もいない場所へ行くイメージです。
2-2.GoとComeの使い分けは一人称と二人称の関係で考える

上記の通り、GoとComeのニュアンスでは自分と相手との関係・行く(または来る)先によって異なります。
文法的な言い方をすれば、一人称(私)と二人称(あなた)の間で行き来するような動作かどうかで見分けができます。
自分と相手の間で行く・来る動作はCome
例として、東京にいる相手から「東京に来れますか?」と聞かれる場合には「Can you come to Tokyo?」と英語で表現します。
これは比較的Comeでイメージしやすいですが、自分から「来週に東京へ行きます!」という場合には、
- I’ll come to Tokyo next week.(相手のところへ向かうので正しい表現)
- I’ll go to Tokyo next week.(間違った表現)
といった違いが生まれます。日本語で行くと訳せる場合でも一人称と二人称の間で行動・移動が成立するなら、相手目線でのComeが正しくなります。
自分も相手もいない場所へ行く場合はGo
一方で、自分と相手が大阪で話している時に「来週東京へ行くんです」と伝える場合には「I’ll go to Tokyo next week.」が正しいです。一人称と二人称がいない・関わりのない目的地ではGoが使えます。
自分と相手がいる場所とは異なる第三の地点に向かったり、一度も訪れたことのない場所へ向かう場合にはGoが自然となります。
2-3.TakeとBringの関係も同じ考え

一人称と二人称の行き来を意識する例として、TakeとBringの関係性も同様となります。どちらも持って行く・持って来るで混同しがちですが、自分と相手の関係をイメージできれば使い分けが容易です。
- Take:Goと同じく自分と相手のいない遠いところへ持って行く
例文:I took my camera to this shop.(そのお店に自分のカメラを持って行きました) - Bring:Comeと同じく自分と相手の行き来で成立する
例文:Could you bring me something to drink?(何か飲み物をもってきてもらえますか?)
自分も相手もいない場所へ持って行くならTakeで、自分または相手のところへ持って行く動作ならBringが正しくなります。
関連記事より、TakeとBringの違い・比較を解説していますのでご参考ください。
3.GoとComeの両方が使えるパターンとは?
GoとComeの使い分けをこれまで説明しましたが、実はGoとComeのどちらでも正しくなるケースも考えられます。
3-1.一人称と二人称が一緒に行く・来る場合

ComeとGoの違いでは一人称と二人称の行き来がポイントになりますが、一人称の私と二人称のあなたが一緒に行動をするケースではどちらも自然となります。
例として、「一緒にキャンプへ行きませんか?」と自分から誘う(または相手から誘われる)場合に、
- Would you like to go camping with me?
- Would you like to come camping with me?
このように、GoとComeのどちらでも合っている英語表現です。一緒に行けます! と答える場合も「I can go/come camping with you.」とどちらでも正しく通じるでしょう。
3-2.GoとComeが両方使える場合のニュアンスの差は?

GoとComeの両方が使えるシーンでは、どちらで表現しても間違いではないのですが…ネイティブの視点から言えば細かなニュアンスの違いはあります。
基本的にはGoを使っておくのが無難
GoとComeのどちらでも使える場合、Goを選択するのが無難だとされます。
理由は以下でも説明していますが、Comeでの表現は相手の距離感が近いイメージがあり、フラットなニュアンスを示すならGoが一般的です。
親しい相手にはComeがフレンドリー
一方でComeを使う場合、以下のニュアンスが加わります。
- 友達や親しい相手に言うようなフレンドリーな感情
- 一緒に〜をしようといった仲間意識
なので、使い分けをするとしたら会社で上司や部下に対して食事を誘う時には「Would you like to go to lunch?(ランチ行けますか?)」という聞き方になり、友達を相手に(コンビニへ)行かない? と軽く誘う場合には「Do you wanna come?」といったフレーズが使えます。
※上記例文のwannaは「want to」の省略形で、くだけた言い回しです。基本動詞Wantの解説ページでも説明していますので、ご参考までに!
4.例文・シチュエーション別でGoとComeの使い分けを確認
GoとComeの使い分けについて、具体的な英会話シーンから確認してみましょう。実際に使うフレーズ・英語でのコミュニケーション例から、よりイメージできるはずです。
4-1.自宅から買い物に出かけるシーン
背景:今から私が友達のトムと買い物に出かけるところです。
買い物に出かけることについて、「家にいる母に伝える」ケースと「一緒に買い物をするトムに、今から行くと伝える」ケースでGoとComeの使い分けを確認できます。
家にいる母親に伝える場合はGo

家にいる母親に「これから行ってきます」と伝える場合、以下例文のようにGoを使います。
Hey mom, I’m going shopping with Tom right now.(お母さん、今からトムと買い物へ行ってきます)
一人称の私と二人称のお母さん、どちらもいない場所へ行くイメージからGoが適切だと判断できるでしょう。
行き先の相手に伝える場合はCome

対して、これから一緒に買い物をするトムに「今から買い物行くね」と伝えるケースでは以下の通り、Comeが使えます。
Hey Tom, I’m coming shopping with you soon.(トム、すぐに買い物へ行きましょう)
いかがでしょうか? 改めて振り返りますと、家にいる母に伝えるケースでは自分の家から「離れますよ」という旨を母親に伝えています。この場合はGoを使ったほうがベターですね。
それに対してトムに「今から行く」と伝えるケースでは、話題の中心であるトムに近づいていることで、GoよりもCimeの方が自然な表現になります。
話す視点が変わるとGoとComeの使い分けも変わります。そのため、行く=Goと来る=Comeの方式が絶対に正解ではなくて、話す人の視点によって自由に使い分けが変わるのです。
4-2.相手から呼ばれるシーン
また、分かりやすいシチュエーションでは相手から呼ばれるシーンがあります。
例えば職場で部下から「Can I ask you a question?(質問よろしいでしょうか?)」と聞かれた場合、日本語で今行きますと伝えたいところですが…
今行きますと伝える場合はCome

相手から呼ばれて「OK, I’m coming.」と返事をすると、相手のところへ行くことを意味します。なので、呼んだ部下は(すぐ来てくれるのかな)と認識してもらえますね。
自分の視点からすると相手へ「行く」動作ですが、Comeの特徴である一人称と二人称の間を行き来するイメージをとらえれば、Comeでの表現が正しいことがよく分かります。
時間がないから出る場合にはGo

ただ、「今そちらへ行きます」と伝えたいのに「I’m going.」とGoを使ってしまうと、部下は(会議があったのか)と、自分がどこか別の場所へ行ってしまうと誤認されてしまいます。
本当にどこか行く用事がある場合には、「Sorry, I’m going to the meeting now.(ごめんなさい、今から会議に行きます)」とGoを使う表現が正しいですね。自分も相手もいない場所へ遠く離れる・行く時にはGoが適切です。
4-3.道に迷った人を連れていくシーン

もう一つ会話例を挙げると、道に迷った人が東京にいて「一緒に新宿駅まで行きましょうか」と提案場合を考えてみましょう。
これは上記で説明した一人称と二人称が一緒に行動するパターンで、すなわちGoとComeの両方が使えるケースです。
- I can go to Shinjuku station with you.
- I can come to Shinjuku station with you.
どちらも「一緒に新宿まで行けますよ」と表現できます。
すごく感覚的なところですが、「ちょうど自分も新宿駅方面に行くので一緒に行きましょう」という場合にはGoで、「新宿近辺は自分、詳しいですから案内しますよ!」と招き入れているような感じだとComeの方が近いニュアンスになりそうですね。
5.Go・Comeと一緒に使う副詞・前置詞|イディオムでの比較
GoとComeについて、副詞や前置詞と組み合わせたイディオムでの比較もしてみます。
5-1.Go backとCome backの比較|コアイメージと同じ捉え方

よく聞くイディオムで、Go backとCome backがあります。
簡単に訳すとどちらも「戻る」を意味しますが、使い分け・違いはコアイメージと同様に一人称、または二人称に近づくかどうかがポイントです。
例文:来週アメリカに戻ると言いたい場合
- 日本の友達と話している時には「I will go back to America next week.」
→話し相手から別の場所へと離れていく - アメリカにいる家族に話している時には「I will come back to America next week」
→話し相手のところへ近づく
同じ行き先でも、そこに相手がいるかどうかでGo backとCome backの使い分けができます。体感的ですが、相手に「戻ってきたよ!」と言うシーンが多く想定できますのでCome backが割とよく使うかもしれませんね。
5-2.Go outと Come outの比較|積極的に出る・または隠れていたものが出る

似たようなイディオムではGo outとCome outとあり、どちらも「出る・出てくる」の意味があります。
Go outはGoのイメージである「話題の中心から離れて行く」ことから、積極的・能動的に出る・出ていくことが軸になります。
- Please go out that way.(そちらから出ていってもらえますか)
- I’m going out with him.(彼と付き合っています)
Go outでは「付き合う」の意味もあります。今別れている場合には「I used to go out with~」と、過去のことも言えますね。。
対してComeは、隠れていたものや今まで見えていないものが、場に出て来る・明らかになるイメージがあります。結果的なことも、その場で分かる・判明する意味からCome outで表現できます。
- This is going to come out well.(これは結果して成功するでしょう)
- This stain can’t come out.(このシミは取れない・出ていきません)
Come outを使った例文ですが、シミは服の中にあるものが現れる(外へ出ていく)イメージからComeを使います。また、視点的には服から自分の方へ出るように洗うので、一人称の方へと来るコアイメージにも合っています。
5-3.Go throughとCome throughの比較|能動的に乗り越えるかどうか

また、Go throughとCome throughも似たような意味で、日本語にすると「通り抜ける・乗り越える」になります。
通り抜けるという意味ではコアイメージの考え方で、向かう先が離れて行くか・または誰かに近づくかによって区別できます。
- I went through the ticket barrier.(改札口を通り抜けました)
→遠いところへ離れて行くのでGo - Excuse me, coming through.(すみません、通ります)
→相手のところへ近づくのでCome
また、能動的に乗り越えるかどうかでもGoとComeのニュアンスが異なります。
- I got through my exams.(試験を乗り切りました)
- Due the impact of the financial crisis in 2008, many businesses didn’t come through.(リーマンショックの影響で、多くの企業が耐えきれませんでした)
こちらの例文より、Go throughは頑張って勉強対策をして試験の手応えがあった! という感じが伝わりますが、Come throughは社会的時勢から巻き込まれてどうにか乗り越える(でも無理だった)といった差があります。
6.GoやComeと似ている英単語・重要な基本動詞もチェック!
GoとComeの違いや用法について一通り解説しましたが、行く・来ると似ている動詞・英語表現も参考までにご紹介します。
6-1.Headもどこかへ向かうイメージ

どこかへ行く・向かうことを英語で言う場合にはGoの代わりにHeadが使えます。
「I headed to famous restaurant.(人気のレストランへ向かいました)」や「I’m heading to Tokyo next month.(来月には東京へ向かいます)」といった表現ができます。
イメージとしてはGoに近いですが、方向・方角的な意味合いで向かうといった動作がよりフィットしますね。
6-2.be off toもGoと似ている意味に

be off toも、どこへ行く・向かう表現で使えるフレーズです。
offは「〜から離れる」、toは「〜に、〜へ(向かう)」といった前置詞のイメージから、遠く離れるGoの代用ができます。
- I’m off to Roma in the summer.(この夏にローマへ行ってきます)
- Where are you off to?(どこへ行きますか?)
こちらの例文のように、ネイティブが使うoff toは今すぐどこか行く場合や、これから行く予定がある場面で使えるので、be going to~の進行形(未来形表現)と似ていますね。
▷関連記事:willとbe going toの使い分けを解説!
6-3.GoやComeなど英会話で頻出する基本動詞も覚える!
GoとComeの違いについて振り返ると、「どこからどこへ」と「話題の中心」はどこか。これらについて考えると、使うとき迷わずに使えるはずです。
話す視点が変われば『Go』と『Come』も使われ方も変わります。要するにどっちを使うかは柔軟に決められます!
仕事場が自分のメインの場所だ! と考えてる人であれば、I go back home. (話題の中心から遠ざかる)で、おうちに自分の愛する人に「今から帰るね」と伝えたい人であれば、I come back home.(話題の中心へ近く)ですね。
このように使い分けをすれば良いのですが、日常会話でよく使う英単語・動詞はGoやCome以外にも多くあります。「基本動詞」と呼ばれるような英単語は特に重要で、難しい英語表現を知らなくても基本動詞だけ覚えておけば幅広いアウトプットができるでしょう。
詳しくは以下の記事でも解説しています。GoとComeも大事ですが、より英語力を鍛えたいという人は他の単語もぜひマスターしてみてはいかがでしょうか。
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