「There is」や「There are」などのThere is構文は「〜がある」という表現で、どこに何があること・存在を意味します。中学英語でもThere is構文について学習するので、「〜がある」とのフレーズで覚えている方もいるのではないでしょうか。
ただ、There is構文は物の存在について言うことができますが、何でも「There is」や「There are」で表現するのも良くなく、場合によっては間違った使い方もありますね。
- There is構文の意味と間違った使い方について
- 「There is」や「There are」の例文
- There is構文の応用パターン|be動詞以外の活用について
There is構文についてより詳しく理解するだけでなく、より自然な英会話スキルを身に付けられるように、こちらのページで一通り解説いたします!
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1.There is構文の基本
There is(またはThere are)構文について、基本的には「〜がいる・〜がある」という使い方をします。
- 対象が単数の場合:There is + 名詞 + 場所
- 対象が複数の場合:There are + 名詞 +場所
There is a pen on the chair. (椅子の上にペンがあります)
There are many cats in the room. (部屋にはたくさんの猫がいます)
現在形の場合、be動詞は「is」と「are」の2パターンあり、対象の存在が単数であれば「is」で複数であれば「are」という使い分けですね。
※ただし、伝えたい内容によっては複数あっても「is」の方が自然なケースもありますので、詳しくは以下注意点で取り上げます。
1-1.意味について:〜がある・いるという存在を表す
There is構文は英語で「existential there」と呼ばれるように、存在する(exist)ことを示す「There」ですね。
「There」自体の意味は「そこ」と訳されますが、There is構文ではわざわざ「そこ」と言わず、「ペン」が椅子の上にあるとか、「多くの猫」が部屋にいるなど、存在する対象物が主語になりますね。
また、原則としてThere is構文では新しい情報を伝える場面で使うため、対象の主語(名詞)が相応しくないケースもあります。間違って使い方についても注意しておきましょう。
2.There is構文の注意点・間違った使い方について|is/areの細かな基準
以下ではThere is構文の細かいルールについてまとめました。
何かがある・存在していることを示す「There is (are)」は便利ですが、場合によっては別の英文に言い換えた方が自然な表現になるため、ネイティブと同じような感覚も知っておきましょう!
2-1.定冠詞(説明済み)の名詞には基本使えない
There is構文では新しい情報について「〜がある・いる」ことを言う文ですので、共通認識のある名詞だと不自然な感じになります。
この共通認識については定冠詞の「the」がついたものですが、簡単に言うと説明済みで、すでに話題にあがっていた名詞です。詳しくは、AとTheの使い分け解説ページでもご紹介しております。
【There is構文が自然な例】
There is a ball on the ground. (グラウンドにボールがあります)
上の英文ではたとえば、学校で友人と歩いていた際にグラウンドにあるサッカーボールがポツンとあるのを見て、友人に「グラウンドにボールがあるぞ」と伝えるシチュエーションがあるとしましょう。
私もその時、初めてボールがグラウンドにあるのを見て、知らない友人に教えてあげていることから新しい情報だと言えます。
【There is構文が不自然な例】
There is the dog in the garden. (庭園に犬がいます)
対して、「the」の定冠詞がついて名詞だと、皆が共通で知っている犬であるため、There is構文が不自然ですね。同様に、「the」だけでなく「my」や「your」などの所有格がついて、私やあなたの犬であった場合でもThere is構文は使わず、以下の通り自然な言い回しになります。
The(My) dog is in the garden. (あの犬/私の犬は庭園にいます)
名詞を前に持ってきて、主語 + be動詞 + 場所 といった語順であれば、シンプルに表現できるでしょう。
2-2.定冠詞でも使える場面がある!
ただ、共通認識の定冠詞「the」がついた名詞がThere is構文で絶対に使えないのではなく、以下例文のようなケースもあります。
There is the importance of saving money. (お金を節約することの重要性があります)
名詞 + of のパターンでは「the」がつくルールがあり、仮にお金を節約することの重要性について初めて出てきた話題であっても、「the」をつけるのが自然ですね。
また、所有格の「my」などでも、「There」が存在ではなく位置的な要素で表現できる(locative there)だった場合、
There is my book. (あそこに私の本があります)
「そこ・あそこ」と位置を示す「There」として、言うことも可能ですね。厳密にはThere is構文とは違う意味合いですが、場所を表す英文としては同じ役割です。
2-3.There isとThere areの使い分けの基準は?
それと、「There is」と「There are」の使い分けでも細かいところの差があります。基本的には単数名詞か複数名詞の判断で問題ないですが、伝えるニュアンスによって例外もありますね。
こちらの情報は海外サイトのgrammarly blogより参考にしたものですが、存在するものが複数である場合でも、以下のような目的で「is」と「are」が使い分けされます。
- 対象のもの・グループについて個々を強調したい(数があることを示す)|be動詞は「are」
- グループ全体を強調したい(例:a variety of)|be動詞は「is」
There are many products in this store. (この店には「たくさんの商品」があります)
上の例文は複数名詞だからという基準で、複数・たくさんあることを伝える上で「are」が選択されます。
There is a variety of products in this store. (この店には「様々な種類の」商品があります)
対して「様々な種類がある」商品という伝え方では、商品というグループ全体での種類の多さを強調するため、「is a variety of~」という表現になります。少し難しい解釈ですが、こういった表現例もあることだけ参考までに覚えておくといいですね!
また、もう一つの例として…こちらは比較的間違えやすいケースで、単数のもので「A and B and C and…」と一連のアイテム・リストして伝える場合も要注意です。
【間違った例】
There are an apple, a pen, and a laptop on the desk.
こちらの例文は「りんごとペンとラップトップ(ノートパソコン)が机の上にあります」と言いたいところですが、全体では複数あるものの「are」を使うのは間違いですね。
「〜がある」を示す「存在」の「There」は、もの一つずつに対して「あること」を言っているので、文法的には正しくないです。
【正しい例】
There is an apple, a pen, and a laptop on the desk.
そのため、複数のものでThere is構文を使う場合には「is」でつなげるのが自然となります。
2-4.There is/areの代わりに使える表現もチェック!
定冠詞「The」の言い換えでもご紹介しましたが、There is構文に拘らなくても別の表現で「存在」について英語表現できますね。
【言い換えの例文】
There are many products in this store.
→This store sells many products. (この店では様々な商品を売っています)
There are apples in the room.
→I have apples in the room. (この部屋にあるりんごを持っています)
Thereで「存在」を伝えるより、別の一般動詞で表現した方がより自然になる文章もあるでしょう。特に「have」など持っていることを示す基本動詞は使いやすいので、There is構文だとぎこちない英語だな…と感じた場合には、言い換えを意識してみてはいかがでしょうか。
3.There is構文を使った例文まとめ
There is構文の使い方について、例文も参考に見ていきましょう「There is(are)」通常の肯定文以外にも、否定文や疑問文のパターンも使えるといいですね。
3-1.通常のThere is構文|過去形などの時制ではbe動詞が変化
There is構文では上記でご説明した通り、 There 「is」とThere 「are」の2パターンがあり、be動詞での変化で使い分けます。
英語の基礎ではまず、be動詞の基本的な使い方を学習することも大事で、過去形にした際の変化もチェックしておきましょう。
There are a lot of people around the park. (公園の周りにたくさんの人がいます)
There was a swing in the park. (公園にブランコがありました)
下の例文では昔ブランコがあったけど、今はないと説明されていますね。「is」が「was」に、「are」が「were」へ過去形だと変化しますが、詳しくはbe動詞の過去形解説ページもご参考くださいませ。
▷参考:英語の時制について一通り解説!
3-2.否定形でのThere is構文|be動詞の後ろにnot
There is構文を否定形で使う場合、文法的なルールではbe動詞の後ろに「not」を入れるだけでOKですね。
There is not(isn’t)blackboard in this classroom. (この教室には黒板がありません)
There are not(aren’t)any instructors in this gym. (このジムにはインストラクターがいません)
また、「not」の代わりに「no」を使った表現をできますので、「There are no instructors in this gym」という言い方でも同じ否定形になります。
3-3.疑問形でのThere is構文|関連する質問フレーズもチェック
また、「〜に〜がありますか?」と質問をするThere is構文では疑問形で表現します。There is構文で質問された場合の回答フレーズも、あわせて確認しておきましょう。
Is there a pen on the desk? (机の上にペンはありますか?)
→ある場合: Yes, there is. ない場合:No, there isn’t.
疑問形では「Is there~」または「Are there~」と語順が変わります。上記の例文では特定の物(ペン)について聞いていますが、何があるか検討がつかない場合もありますよね。
その際には「何」を意味する疑問詞の「What」で質問をするのが自然ですね。
What is in the box? (箱の中には何がありますか?)
→There is a watch that you want. (あなたの欲しい時計があります)
「What is~?」で質問した場合の回答でThere is構文が使えます。英語での疑問・質問形は様々なパターンがあるので、以下関連記事で復習してみてはいかがでしょうか。
4.There is構文と〜is(are) thereも似ているけど違う?
Ther is構文と似た表現では、「~is(are) there」というパターンもありますね。例文を出すと以下の通りです。
My cat is there. (私の猫はそこにいます)
この「there」は「存在」を意味する「existential there」ではなく、位置的な意味である「locative there」です。そのため、「~is(are) there」であれば新しい情報でなく共通認識のある名詞でも使えますね。
The car was there. (その車はそこにあった)
Is Mary there? (メアリー、そこにいる?)
下の例文では、電話でのやり取りで「〜〜さん、います?」とカジュアルで聞く時にも使われるフレーズですね。このように、似たような英文でも「there」の役割が違う点について、参考までに知っておくといいでしょう。
5.There is構文の応用|be動詞以外でも使える?
これまで、There is構文は「is」または「are」というbe動詞を使うことを前提に説明しましたが、「存在」を示す「there」と関連性の高い一般動詞もセットで使えます。
以下のフレーズは中学や高校での英語であまり習わない内容ですが、英会話では自然と使える表現なのでぜひ覚えておくといいですね!
5-1.There + 存在に関する一般動詞
There構文として、物や人の存在に関連する一般動詞との組み合わせで、単純に〜があると言うだけでなくより細かい表現ができます。以下が「There」とセットで使える一般動詞の例です。
- exist(存在する)
- seem(appear) to be(〜があるようだ)
- remain(〜のままでいる)
- live(住んでいる)
There lived many people. (多くの人々が住んでいた)
There exists a gap between she and you. (彼女とあなたの間にはギャップがある)
There remains a serious problem.(重大な問題が残っている)
存在していることについて、住んでいるや残っているなど、ニュアンスを変えて伝えられるのもThere構文の良いポイントですね。
5-2.There + 出現に関する一般動詞
また、There構文では出現に関連する一般動詞も使えて、以下の通り「起こる」や「現れる」などの動詞と組み合わせられます。
- happen(起こる)
- arrive(到着する)
- arrise(発生する)
- appear(現れる)
There happened a incident in this factory. (この工場で事故が起きた)
There appeared a cat from that street. (あの通りから猫が現れた)
シンプルに「ある」や「いる」だけでなく、存在に対して細かい表現を追加したい場合には、一般動詞とあわせたThere構文が役に立ちます。
6.There isに関連する文法・品詞も重要!
There is構文の正しい使い方について覚えた段階で、他の文法や品詞の基礎も学習しておくといいでしょう。特にThere is構文では品詞とのセットが基本ですので、中学英語で習う品詞の基礎も大事ですね。
それと、「There is」と「There are」の使い分けでは対象の物が可算名詞と不可算名詞のどちらであるかとの見分け方や、以下の関連記事も役に立ちますのでぜひお読みくださいませ!
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