英語脳は英会話スキルを向上するために重要な要素で、実用的な英語コミュニケーションを身に付ける上で欠かせません。
ただ、英語脳は中学や高校の時に習うようなノウハウではなく、英単語や文法など基礎の学習はできていても英語脳をイメージしにくいといった方も多いでしょう。
そこで、大人からでも適応できる英語脳の作り方など、こちらのページで一通り解説していきます。
- 英語脳の概念・通常の脳との違いについて
- 英語脳を作るメリットと学習方法
- 英語脳にどれほど適応しているか?|理解度チェック
など、気になる方はぜひご参考いただき、英語学習でお役立ていただけますと幸いです!
ページコンテンツ
1.英語脳とは?思考回路の特徴
英語脳の基本について最初にご説明します。英語をそのまま認識する適応能力のことを英語脳と言いますが、英語初心者の大人でも学習をすることで英語脳を目指せます。
1-1.英語を日本語に翻訳せず英語のまま認識する
英語脳に適応している人は、英語を読んだり聞いたりした場合に日本語など母国語に翻訳することなく、英語のまま理解できる能力を持っています。
科学的に実証されているもので、科学雑誌の「Nature」で掲載された脳科学の論文より、高校生以降に英語を第二言語として習得した人は、日本語など母国語の使用と英語の使用において、活動する脳の領域が異なることが判明されています。
これはつまり、日本語と英語の構文や文法などが異なることから、それぞれの理解に必要な思考回路・神経回路が別々になっていると言えます。
1-2.日本語脳との違い
英語脳と日本語脳の違いについて、簡単な例でご紹介します。
例:英語で「I’ve been waiting for this day to come. (この日をずっと待っていました)」と相手から聞いた場合。
★日本語脳の人:
- 「私は待っていた」「この日」「来る」と、断片的な意味は理解
- 日本語と語順が異なるので文章全体の意味はすぐ分からず日本語に置き換える
- 「この日をずっと、待っていました」と日本語の構文・語順で全体を理解できる
★英語脳の人:
「I’ve been waiting」「for this day」「to come.」と英語そのままの語順で文章全体を理解。
英語に慣れていない日本語脳の方は、英語の構文や文法を瞬時に理解することが難しく、日本語の語順に置き換えてから文章全体を把握します。
一方で英語脳の方であれば英語をダイレクトで理解できるため、日本語を介さず文章の流れ通りに把握できる思考回路を備わっていますね。そのため、英語脳の方は英会話の対応スピードがスムーズで、日本語の方は日本語へ翻訳する時間がある分、返答まで間が空きます。
1-3.大人からでも英語脳の習得は可能!|ただし普段から英語を使う環境が必要
英語脳はいわゆるバイリンガル教育にも関連しており、子供の頃から語学に時間を使うことで英語脳・バイリンガルの適応がしやすくなります。
大人になってからでも英語脳の適応は可能で、以下でもご紹介しています英語学習を継続すれば英語の理解スピードが向上します。
ただ、英語は日本語と構文や文法、発音が異なるように語学的な部分も基礎から勉強し、普段の生活に英語を取り入れる必要があります。短期間で英語脳が身につくものでなく、英会話の上達と同様にある程度の時間をかけて習得することになりますね。
2.英語脳を作る・鍛えるメリット
英語脳を鍛えることで、英会話スキル・実用的な英語力の向上につながります。
2-1.リスニングの理解スピードが向上
上記でもご説明したように、英語脳のある人・ない人とでは認識のスピードに差が出ます。日本語脳から英語脳に切り替えられない人は、英語を日本語に都度翻訳するためリスニングの理解スピードが劣ります。
英語脳はリスニングの理解が速く、ダイレクトに英語の情報をインプットできるようになりますね。
2-2.スピーキングもスムーズになり表現の幅が広がる
スピーキングも同様に、日本語を介さず英語をそのままアウトプットすることが可能です。
- スムーズに言いたいことを表現できて、英語力の自信になる
- 様々な英語のフレーズを自然に使えるようになる
- ネイティブの発音やイントネーションも身に付く
英語脳を作ることで、実践的なコミュニケーションスキルの上達になるでしょう。これまで、英文法や英単語を覚えても英会話は全然できないという人や、英会話スクールに通っても全然上手くならない場合、英語脳の理解が不足している傾向にあります。
3.英語脳による理解度レベルを簡単にチェック!
では、実際に自分の英語脳の適応レベル・理解度についてどれほどか参考までに簡単なテストチェックをご用意しました。初級者向けのリーディングから、日常会話などのリスニングから試してみましょう。
3-1.初級編:簡単な短文のリーディング
まずは初級者向けで、以下の英語短文を日本語に翻訳せず、ダイレクトに理解できるかどうかチェックしてみましょう。
日本語に置き換えたり、英単語・フレーズの順番を入れ替えて確認せず、英文の文頭から文末まで一通り読んで内容を理解できるかどうかの確認ですね。
- I often work out at the gym in my spare time.
- I’ve been having really busy morning. So I want to rest in bed.
短文のリーディングでも日本語に直して考える必要がある場合には、まだ英語の基礎学習が足りていない傾向になります。文法や構文の理解が大事ですので、関連記事をご参考ください。
3-2.中級編:よくある日常会話のリスニング
続いて、身近な日常会話の内容を英語でリスニングしてみましょう。以下2問について初級編と同様に、日本語に直さず英語のままリスニングで理解できるか確かめてみてください。
1問目は比較的短い英文だったので理解できた方も多いと思いますが、複数のセンテンスだった2問目で、英語が頭に入ってこないという方もいたのではないでしょうか。
リスニングへの苦手意識があるなど聞き取りが難しい場合、英語を聞き取れない理由・原因から確認するといいですね。詳しくは以下の関連記事をお読みいただけますと幸いです!
▷リスニングが苦手な人向け:英語がゆっくり聴こえるようになる対策
3-3.上級編:質問に対する回答・スピーキング
また、聞いた英語を理解するだけでなく返答内容や英語表現を考えてアウトプットするまでのテストも以下で用意しました。
こちらの2問は英語での質問が流れますので、リスニングした上で英語での回答をしてみましょう。
<英語音声のデータがここに入ります>
ここまで全て、日本語を意識せず英語のまま理解できれば、英語脳の適応レベルが高いと言えるでしょう。
一方で、「リスニング音声を全く聞き取れない」や「なんとなく英語を聞き取れるけど、日本語に翻訳する時間が必要」といった方は、以下の独学を参考にトレーニングしてみてはいかがでしょうか。
4.英語脳の作り方・習得でおすすめの英語学習
英語脳の作り方で効果的な学習方法では、リスニング対策やスピーキング・発音を中心に勉強してみることが重要ですね。
4-1.ディクテーションでリスニング対策
リスニングが苦手という方は、聞き取った英語をライティングするディクテーションの学習がおすすめです。一回で聞き取れないフレーズや発音を分析できて、繰り返し聞くことで勉強になりますね。
- スクリプトを確認できる英語音声・動画を使う
- 一文ずつリスニングして音声を止めて、書き取りを行う
- 書き取った英文とスクリプトを確認して、聞き取れない部分・間違えた部分を確認
まずは短文から試してみるといいでしょう。以下の参考記事では、音声付きで紹介していますので独学で役立ちます。
4-2.サイトトランスレーションで英語の語順通り理解する
サイトトランスレーションは英語通訳者向けのトレーニング方法としても活用されており、意味のあるカタマリで英文を区切り、音読する練習となります。
- 英文をチャンク(意味のある単語・フレーズ)ごとに区切る
- 区切った英文を英語で音読する
- 英語で音読した箇所を日本語にする
- 2と3を繰り返しながら最後まで読む
英語を英語の語順の通り理解する習慣がつき、英語脳の適応で効果が出ます。詳細は、サイトトランスレーションの解説ページよりご参考ください。
4-3.シャドーイングでイントネーション・発音を習得
聞いた英語の音声を少し遅れてついていくように声に出すシャドーイングも、英語脳を作る上で欠かせない練習方法です。
英語の発音やイントネーションの理解だけでなく、英語の語順そのままでスムーズに認識するトレーニングとなります。また、英語の発音理解=ネイティブの英語リスニングも向上といった総合的な英語力の上達にもつながりますので、アウトプット型の学習が足りていない方はぜひ実践してみてください。
5.英語脳を意識した学習で注意するべきポイント
独学や英会話でのトレーニングで、英語脳の習得を意識したポイントもご紹介します。英語脳は日本語と切り分けて学習・活用する必要がありますね。
5-1.英語と日本語の往復・翻訳の都度確認を避ける
英単語やフレーズの勉強では日本語訳の暗記がメインになりますが、ある程度の基礎を理解できたら日本語訳に頼らない学習をおすすめします。
例えば「How is the task going?」と英語で聞かれた場合、「task=仕事で、How is~だから、仕事はどんな感じって聞かれているのか」と、日本語への翻訳に頼ると瞬時に認識できなくなります。
英語脳の適応を目指した学習では、「How is the task going?」を訳さず英語のままインプットして、「It’s going well.(順調です)」など、スムーズに返答できるのが理想ですね。
そのため、リスニングやスピーキングの練習では英語と日本語の往復・変換はなるべく避けることが英語脳の近道となるでしょう。わからない単語やフレーズがあったら、すぐ英和辞書を使うのでなく英英辞書の活用が効果的です。英語の説明を英語・英文で知る習慣ができる人は上達します。
5-2.英語の語順通りに内容を理解する
日本語脳の方でありがちなことで、英語の語順通りに理解できない点があります。
上記の確認問題で使った一文を参考にすると、「You really care about your parents.」というセンテンスに対して、英語脳の適応が不足している方だと「あなた」→「両親」→「大切にする」といった感じで、日本語の構文・語順に置き換えて認識する傾向になります。
このような思考回路だと、英語本来の文法や語順が身に付かず日本語脳を使ったスピードの遅い英語となってしまいます。最初は難しいかと思いますが、実用的な英語スキルを目指すためには英語の語順を守るのが大事ですね。
5-3.多くの英語に触れて日々使う|多読や英語日記など
英語脳の要素に限らず、第二言語の学習では勉強時間の確保が必須となります。普段から英語に触れることが当たり前のような感覚になれば、英語脳を使う時間が増えて上達のきっかけとなります。
- YouTube動画や海外ドラマ、ニュースサイトなどで英語を読む
- 毎日の出来事を英語日記で記録する
- 毎日、決まった時間や場所で英語を使う習慣を身に付ける
詳しくは英語日記の書き方などで、学習方法をご紹介しています。英語への苦手意識がある方も、日々のルーティンとして慣れることでレベルアップできますね!
6.英語脳の習得・理解で重要なポイントまとめ
英語脳の習得で大事なポイント・要点は以下の通りです。
- 英語脳は、日本語を介さず英語のまま理解できる
- 独学で英語を語順通りに読み解く
- 大事なのは普段から英語を使うこと。日本語を一切見ない・聞かない時間、環境を作る
英語力=文法や語彙力・英単語の暗記など、高校や大学受験の時に対策してきた学習イメージもあるかもしれませんが、日常会話やビジネスシーンなどで実用的に活かせる英語力を身に付けるためには英語脳の適応は必須ですね。
ディクテーションやサイトトランスレーションなど効果的な独学を実践しつつ、日本語に頼らないインプット・アウトプットを繰り返すことで上達しますので、ぜひ英語脳を目指して頑張ってください。
また、英語への苦手意識が強い方は、具体的な対策よりも英語ができない理由について深く知っておくといいでしょう。詳しくは、日本人が英語が苦手な理由とは?のページで紹介しています。
英語学習でお悩みの方へ|学習ガイドを無料で配布中!

まずは、すぐに実践できる英語学習ガイドをご参考に、自分に合った英語の勉強方法を試してみてはいかがでしょうか。以下のようなお悩みを解説いたします!
「独学でも英語を話せるようになるの?」
「スピーキングをマスターするための道のりを知りたい」
「一から英語を学ぶのが不安...」
Aloha Englishの講師より監修しました英語学習ガイドでは、これまで培ってきたサポート実績から得た経験や独自のノウハウなども参考に、効果の出る英語学習方法をまとめております。また、資料をお読みいただいた方限定の特典・プロモーションもありますのでぜひご活用くださいませ。
コメントを投稿するにはログインしてください。