英語のリピーティング学習方法・進め方解説|効果的に練習するポイントと注意点

英語のリピーティング学習方法

リピーティングは英語学習で役に立つ勉強方法で、ネイティブの発音が身に付くほかリスニング力も鍛えられるメリットがあります。

ただ、英語の音声を聴いて単純に繰り返すだけでなく、よりスピーキング・リスニングのスキルを上げるためのテクニックを活用するのが良いため、基本的な練習方法を知っておくといいでしょう。

また、リピーティングを試してみてなかなか上手くいかない場合はどうするなど、別の学習方法などもあわせて知っておくといいですね。こちらのページではリピーティングについて一通り解説いたしますので、ぜひご参考くださいませ。

1.英語のリピーティングとは?|他の練習方法との比較

リピーティングは英語を発話するトレーニングの一つで、「聴いた英語を繰り返すだから簡単な練習方法なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実際にやってみると案外難しいと感じることも多いですね。

スピーキング・リスニングのスキルを上げるトレーニングについて、他の方法とも比較しながらリピーティングの基礎的なことをまず確認しておきましょう。

1-1.リピーティングは聴いた英語の音声を復唱する学習方法

リピーティングは「repeat(繰り返して言う)」という英語の動名詞「repeating」を意味する通り、リスニングした音声を真似して発声する練習方法です。「repeating」などで表現される英語の動名詞の基本・使い方は別ページでも解説しております。

リピーティングのイメージ

基本としては、「一文ずつ英語を聴く→音声を止める→聴いた英文を発音する」を繰り返すやり方で、発音した英文が間違っていないかどうか微妙な場合、都度英文のスクリプトを確認して修正する手順になりますね。

発音を真似るところのほか、聴いた一文を全て覚えるといった点で最初はつまづくケースも多いですね。発音・暗記の両方で慣れてくるまで、リピーティングが難しく感じるでしょう。

1-2.シャドーイング・オーバーラッピングとの違いは?

また、英語の発声練習ではシャドーイングやオーバーラッピングもありますが、リピーティングとは違う方法になります。

  • シャドーイング|音声の0.5~1秒後(1~2単語後目安)を追いかける感じで発声する
  • オーバーラッピング|スクリプト(英文)を見ながら音声と同時に発声する

シャードイングは音声の後を追う感じで続けて発声する練習で、オーバーラッピングはスクリプト・台本を見ながら同時に話す方法ですね。オーバーラッピングは同時なので、完全に暗記しない限りスクリプトを見ない練習は不可能なので、基本は英文を見ることが前提になります。

基本的なオーバーラッピングの練習方法を詳しく!

詳細はシャドーイングで活用できる教材解説のほか、以下の関連ページでご紹介していますが、シャドーイングはリスニング力向上がメインの目的で、スピーキングを鍛えるリピーティングとは学習目的が違うことも確認しておきましょう。

リスニング力向上で効果的なシャドーイングのやり方は?

1-3.リピーティングとシャドーングの難易度|簡単なのはオーバーラッピング

それぞれの英文発声練習方法では、以下の通り難易度が異なります。

  • スクリプトを見て音声と一緒に音読するオーバーラッピング→簡単
  • シャドーイングとリピーティング→同じ程度の難しさ

発声練習に不安を感じる方は、いきなりリピーティングを試そうとしても覚えられず、発音も上手くいかないこともあるでしょう。そのため、比較的簡単なオーバーラッピングから段階的に練習するのも手ですね。

2.リピーティングの学習目的・スピーキング上達の効果は?

リピーティングでは英語を話すこと・聴くことを中心に練習できますので、様々な面で学習効果が得られます。英会話は誰か相手と話す練習が理想ですが、一人でもある程度スピーキング・リスニングのスキルを向上できます。

2-1.自然なイントネーションを理解できる

英語独自のイントネーション(抑揚)を身に付ける上で、リピーティングが役に立ちます。語尾を上げる・下がるの法則があったり、緩急をつけた発音など、聴くだけでは体験が難しい英語の特徴について実際に発声することで学習できますね。

英会話スクールで学ぶ生徒さんでも、正しいイントネーションができずにネイティブの先生から「5W1Hの疑問文だから語尾を上げないのが自然です」と指導を受けることもよくあるでしょう。細かいポイントですが、自然なスピーキングを身に付ける上ではイントネーションの理解が重要です。

そこで、ネイティブの英語音声を聴いて、覚えてから発声して間違えたら直すといったリピーティングのサイクルを繰り返すことで、徐々に発音の強弱が分かってくるようになりますね。詳しくはネイティブのイントネーション・リズムについて、別ページでご紹介しています。

2-2.リスニング力も鍛えられる

イントネーションの理解に関連して、リピーティングではリスニング力のアップにも繋がります。英語のリスニングで難しいポイントとして、複数の単語が続くことで別の発音になったり、リダクション(音の脱落)によってそもそも聞き取れない音もあるなど、日本語にはない法則があります。

▷関連記事:ネイティブ発音が聞き取れない理由はリダクション(音の脱落)

そのため、ネイティブの音声を何回も聴いて自分の発音で再現することで、英語の聴き取り能力も上がります。リスニングでは発音の理解も大事なので、自分自身の発声でもネイティブの発音ができるようになるスピーキングとあわせて練習するのが効果的ですね。

2-3.スピーキングで使う英語の構文・文法も覚えられる

リピーティングでは一度聴いた英文を暗記する練習になりますので、繰り返すことで英語の基本的な語順や文法への理解も深まります。

  • 主語+述語(動詞)の英語文型に慣れる
  • 過去形や未来形など状況に応じた時制の変化を理解
  • 頻出するフレーズ・文法を記憶

などなど、英語脳にも徐々に適応できるようになりますので、まだ英語の文法や基本的なことなど勉強中という方でもリピーティングで復習できたり、アウトプットできる練習として活用するといいですね。

▷関連記事:英語の基本的な五文型を分かりやすく解説!

3.リピーティングの学習手順・基本的なやり方

実際にリピーティングを実践する上で、基本的な手順も確認しておきましょう。聴いた英語の音声の確認をしておきたいので、字幕のある動画やスクリプト(台本)があるといいですね。

3-1.一文ごとに英語音声を聞く&止めてリピーティング

リピーティングの例

動画やCDなどの音源を使って、一文ずつ英語を止めてリピーティングをしていきます。まだまだリピーティングに慣れない場合、まずは英文全体を一度聞いてからどのような内容なのか概要を知っておくといいですね。

Why didn’t you come to the party yesterday?」(どうして、昨日パーティーに来なかったのですか?)
→一度音声を止めて発声

Sorry, I was working last night.」(ごめんなさい、昨夜は仕事をしていました)
→一度音声を止めて発声

といった感じで、一文ずつ聞く&発声の繰り返しです。ただ以下例文のように一文が長く感じる場合には、分割をしてリピーティングをして調整するのも良いでしょう。

I have to study hard until late at night to pass tomorrow’s exam」(明日の試験に合格するために、夜遅くまで一生懸命勉強をしなければなりません)
→「I have to study hard until late at night」で一回止めて発声&「to pass tomorrow’s exam」でまた止めて発声

3-2.聞き取れなかった英語はスクリプトを確認

最初は英文や会話文がなかなか聞き取れないと思いますので、リスニングできなかったり英語の意味が分からない場合にはスクリプトを確認しておきましょう。

スクリプトを見てリピーティング、または音読を繰り返して発声できるようになったら、最終的には暗記するリピーティングで練習するといったステップアップが基本ですね。

3-3.リピーティングで使えるおすすめの教材は?

リピーティングでは音読の英語教材を使うのも手ですが、すぐに実践できる方法ではYouTubeなどの動画ですね。海外のニュース動画などでは字幕もあり、再生と停止もしやすいので気軽にリピーティングを試せます。

また、海外ドラマもリピーティングの教材で使えますね。個人的に好きな作品であったり、Netflixなどのサブスクリプションで試聴している海外ドラマの音声を聴いて練習するのもアリでしょう。

英会話の基本的なフレーズを中心に学習したい場合は、音声が聴ける教材アプリもおすすめです。無料で活用できるものもありますので、リピーティングで利用してみるといいですね!

ビジネス英会話で使える無料・有料のアプリまとめ!

4.より学習効果が上がるリピーティングの応用

ある程度リピーティングの練習に慣れた方や、もっとスピーキング能力を効率的に向上させたいといった場合には、以下のような応用練習が参考になりますね。

4-1.1回で聞く英語の量を徐々に増やす

最初は一度に聴く英語の音声を細かく刻んで徐々に覚えていくやり方が無難ですが、慣れてきたら一文に留まらず複数の英文をまとめて聴いてから発声するとより鍛えられます。

短い音声から徐々に長くしていくことでスピーキングスキルが上がるだけでなく、英文を記憶する力や英語を日本語に変換せず英語のままで理解する力が身につきますので、難易度を上げていく調整が良いでしょう。

4-2.自身が話した音声も録音して聞き直す

リピーティングの練習効果をより良くするために、自分が発声して発音・音声を録音して聞き直す方法も重要ですね。リピーティングで実際にネイティブと同程度の発音ができているかどうか、客観的なフィードバックをすることでイントネーション・発音の修正ができます。

「自分の下手な発声、あまり振り返りたくない…」と抵抗がある方もいるかもしれませんが、最初は正確な発音ができなくて当然ですので、まずはご自身のスピーキングレベルがどれほどかしっかり確認するために、自分の音声をレビューしてみてはいかがでしょうか。

ネイティブの発音を詳しく!|リエゾン(音の連結)を解説

5.リピーティングに関する注意点・他の英語学習方法も

リピーティングの学習メリットや練習方法など一通りご紹介しましたが、リピーティングでなかなか上手くならない場合やよくある注意点も最後にまとめました。

5-1.リピーティング・シャドーイングが難しく感じる場合の対策

リピーティングの練習が難しく感じたり、シャドーイングでもスピーキングが追いつかない場合には、難易度を下げた練習方法がおすすめです。

例えばスピーキング・リスニングの練習では、ディクテーション(英語の書き取り練習)やオーバーラッピング(スクリプトを見ながら発声)が比較的簡単な方法ですね。聴いた英文を書き取ったり、英文を見ながら発声していく練習を繰り返すことで、徐々に慣れてリピーティングでも対応できるようになります。

また、リピーティングでも意味のある英文のカタマリ(サイトトランスレーション)を利用して、区切っていくことで易しい段階から実践できます。

一文が長くてできない場合でも、文のカタマリごとに音声を止めてリピーティングをすることで自分のレベルに合った練習ができます。サイトラ(サイトトランスレーション)は英語の総合的な理解力を上げるためにも役に立つ知識なので、ぜひ実践してみましょう。

5-2.練習中はスクリプトをなるべく確認しない

リピーティングでは英語音声・発音の記憶も重要になるため、練習中にはスクリプトの確認回数をなるべく減らす意識も大事ですね。

毎回スクリプトを見てしまうと単純な英語の音読になってしまい、リピーティング本来の学習効果が低下しますので、英文を見る・確認することに頼らず覚えるのが肝心です。

5-3.リピーティングでは英語音声と同じ発音を再現

聴いた音声をリピートする際、覚えることに集中してしまい発音が疎かになることもあるかもしれませんが、ネイティブのイントネーションや発音をしっかり再現する意識も大事ですね。

最初は難しいかもしれませんが、暗記と発音の両方をクリアするために、できるまで同じ音声を何度を繰り返して確実にリピーティングしていくのが正しいやり方です。

5-4.リピーティングに慣れたらレシテーション(暗唱)を実践

また、リピーティングの練習にも慣れた段階で、レシテーション(暗唱)にもチャレンジできるとよりスピーキングスキルが上がります。ベースとなる英語の音声を聴かず、頭の中でイメージできたものを発声できるようになればかなりのレベルまで到達しているでしょう。

英語を話すことへの抵抗や苦手意識がある方でも、段階的に学習することでスピーキング・リスニングが徐々にできるようになりますので、ぜひ試してみてくださいね!

レシテーションの練習方法・注意点について解説!

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記事の監修者情報

Aloha-Teacher1

【松本兼頌(Matsumoto Kensho)】

カリフォルニア大学で語学とマーケティングを専攻。卒業後ハワイで広告営業を担当しました。余談ですが、ワイキキとカイルア担当だったので隠れスポットの話も得意です。

今までの海外経験を活かし、正しい英会話の習得方法を徹底解説。スピーキング ・発音・リスニングに関する記事を主に執筆しています。わからないことがあれば、お気軽に相談してください。