副詞について、動詞や形容詞と比べてまず「どの英単語が副詞なのか?」とか「副詞ってそもそも何?」など基本的な知識があまりない方もいるでしょう。
- 副詞は英語の中でどのような働きするか?
- 間違えやすい副詞の位置について
- 副詞の語形パターン・よく使うフレーズも知りたい!
などなど、副詞に関して基本的な使い方などをまとめました。英語の副詞表現を覚えておけば、細かいニュアンスや自然な英会話ができるようになりますので、しっかり確認しておきましょう。
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1.英語の副詞とは?|役割・他の品詞との違い
英語の副詞について文法的な説明をすると、名詞以外の様々な品詞について修飾する役割があります。副詞を使った例文をまず見てみましょう。
My cat walked quietly.(私の猫は静かに歩きました)
I want to travel abroad.(私は海外旅行がしたいです)
例文の「quietly」や「abroad」が副詞に該当しますが、いずれも動詞の内容を補足していますね。詳しくは以下でもご紹介していますが、日常英会話で使うような時間や場所に関する英単語なども副詞に該当し、副詞であることを意識していなくても多用していますね。
1-1.副詞の意味・イメージ|動詞など他の品詞を説明
名詞以外の品詞を修飾するのが副詞の役割ですが、修飾=補足説明との認識で問題ないでしょう。説明にはいくつかのパターンがありますが、イメージとしては動作や状態に関して補足・変更をする感じです。
イラストでもイメージについて掲載しましたが、副詞がないと「いつ」勉強をしたのか、または「どこへ」旅行へ行きたいなど、具体的な英語表現ができませんね。そのため、詳しく説明をする上で副詞は必要不可欠です。
I studied English.(私は英語の勉強をしました)
→I studied English last night.(私は昨晩、英語の勉強をしました)
I want to travel.(私は旅行がしたいです)
→I want to travel abroad.(私は海外旅行がしたいです)
また、形容詞も副詞で説明できますが、状態や状況について加減や程度について補足をするイメージもありますね。彼女がただ困っているのではなく「とても」困っているのであれば、「too」や「very」などの副詞で説明できますね。
This dog is very cute.(この猫はとても可愛い)
She is absolutely right.(彼女は100%正しい)
1-2.形容詞と副詞は似ているけど何が違う?
副詞は他の品詞について修飾しているという意味で、割と形容詞の役割と似ている点がありますね。ただ、形容詞の方が修飾できる対象が限られている特徴があり、以下で比較してみました。
品詞の比較 | 形容詞 | 副詞 |
英文の位置 | 名詞の前・be動詞の後 | 動詞の前後・形容詞の前・副詞の前など |
役割 | 名詞に限定した修飾(人や物の説明) | 動詞や形容詞、副詞を修飾(動作や状態などを補足説明) |
形容詞の場合には、人や物などの名詞に限定した説明ですね。詳しくは形容詞の種類と使い方解説ページでご紹介しているほか、関連する文法記事も参考になります。
また、上記の比較表でも記載してありますが、修飾する品詞や種類によって置く場所(語順)が前と後ろで変わりますので、別々で詳しく解説いたします。
2.副詞の位置1|前に付く限定の副詞
説明する品詞・英単語の前に来る副詞のパターンは主に以下の通りです。
- 頻度・程度に関する副詞(notと同じ位置になります)
- 確認・確信のレベルに関する副詞
- 評価に関する副詞(文頭が多い)
前に置く副詞は限定用法と呼ばれ、後にくる動詞や形容詞などの英単語に限定して説明するとの意味合いですね。対して、後に置く副詞は説明(叙述)用法であり、文章全体のことに対して説明する感じになります。
2-1.頻度を表す副詞
限定用法の副詞では、頻度に関する英単語を多く使います。いつも(always)や時々(sometimes)など、行動や状態に関してどのくらいの頻度なのか、動詞の前に置いて表現しますね。
I usually make mistakes.(私はいつも失敗します)
You will rarely exercise.(あなたはめったに運動をしなくなるでしょう)
助動詞を使う場合も、「助動詞 + 副詞 +動詞の原形」と動作を示す(説明をしたい対象の)動詞の前に副詞が来ます。基本的なイメージでは動詞の前ですが、be動詞の場合には後ろに副詞が来ます。
I’m always on your side.(私はいつも、あなたの味方です)
She is sometimes late. (彼女は時々、遅刻をします)
「She sometimes is late.」だと違和感があり、文法上間違っていますので動詞の種類によって位置が変わることも覚えておきましょう。関連記事で、頻度を表す副詞の一覧・パーセンテージのイメージでも解説しております。
2-2.程度を表現する副詞
頻度と似たカテゴリーで、程度(とても・すごく・少し・ほとんど)の表現も副詞でできて、説明したい対象の動詞や形容詞の前に置いて限定的に説明します。
【程度を表現する代表的な副詞】
- so(とても)
- too(ネガティブな意味でのとても)
- almost(ほとんど)
- enough(十分に)
- just(ちょうど)
- only(ほんの・唯一)
- really(本当に)
- terribly(ひどく)
You are too lazy.(あなたはとても怠けています)
I’m very happy.(私はとても幸せです)
We are the only team.(私たちは唯一のチームです)
分かりやすい表現である「very」や「too」「so」もそれぞれ副詞ですが、ポジティブや意味・ネガティブなニュアンスなど使い分けがされていまして、詳しくはveryとtoo・soの違い解説でも取り上げています。
I have almost cleaned my room.(自分の部屋の掃除はほとんど終わっています)
また、程度の副詞は完了形の表現と相性の良いフレーズがあり、「ほとんど終わっている」や「ちょうど終わった」などの言い方もありますね。
2-3.確認・確信の度合いに関する副詞
英語では事実だけでなく、「will」や「must」などの助動詞を使って推測する表現も使えますが、どれくらいの確信・確率があるかについて副詞で言うことができますね。
【確信の度合いを副詞で表現:100%に近い順】
- certainly(確かに)
- surely(きっと〜・確かに)
- probably(たぶん)
- maybe(おそらく)
- possibly(もしかすると・可能性があるとすれば)
He will probably start a business.(恐らく彼は起業するでしょう)
She will certainly come here.(彼女は確かにここへ来るでしょう)
こちらも語順的には動詞の前に置いて、助動詞を使う際には「助動詞 + 副詞 + 動詞」の順番ですね。助動詞によっては「will」以外でも、推測の度合いが異なりますので、関連記事にて確認しておくといいでしょう。
2-4.評価や態度に関する副詞は文頭にも置きやすい
それと、副詞では何かへの評価や態度についても伝えられて、以下例文の通り文頭に置いてから、内容を説明するのが自然な言い方ですね。
Fortunately, I won a billion in the lottery.(幸運なことに、私は宝くじで10億当たりました)
Seriously, he should be out of this team.(真剣な話、彼はこのチームから外すべきです)
文章全体について良かったのか悪かったのか、またはどういった趣旨の話なのかを副詞で説明する形です。よく使う評価・態度の副詞も参考までにまとめました。
【評価(良い・悪いなど)に関する副詞】
- happily(幸運にも)
- fortunately(幸運なことに)
- unfortunately(不幸なことに)
- obviously(あきらかに)
- easily(簡単に)
- curiously(奇妙なことに)
- stupidly(ばかげたことに)
【態度(どういう心境・状況か?)に関する副詞】
- actually(実際には)
- frankly(率直に)
- strictly(厳密に言うと)
- honestly(正直に言うと)
- seriously(真剣な話で)
- personally(個人的には)
3.副詞の位置2|後ろに付く説明目的の副詞
一方で、説明する対象の後ろに置く副詞の種類・傾向についてもご紹介いたします。
- 動作などに様態を補足する副詞(quicklyなど)
- 場所を示す動詞(homeなど)
- 時間に関する副詞(todayなど)
動詞の説明や場所・時間についても、普段の英会話表現でよく使いますよね。いずれも副詞を使っていることを認識した上で、複数の副詞を並べた場合の語順ルールも確認しておくといいですね。
3-1.様態に関する副詞(動詞の後)
様態については、単純に「食べる」や「走る」などの動作だけでなく、「どのように・どんな様子で」と追加で説明したい場合もありますよね。
日本語では「速く仕事をする」とか「正しく説明をする」など説明が前に来ることもありますが、動詞に関する様態説明では後に置きます。例文とあわせて、副詞の例もまとめておきました。
He explained exactly. (彼は正確に説明をしました)
This cat walks slowly. (その猫はゆっくり歩きます)
【動詞を補足する副詞の例】
- carefully(注意深く)
- exactly(正確に)
- fast(速く)
- slowly(ゆっくりと)
- loudly(大声で)
- suddenly(突然に)
- well(上手に)
3-2.場所に関する副詞(文末に置く)
英会話では場所に関する副詞表現も欠かせず、「どこへ」行ったとか「どこで」あった話なのかなど、「home」や「here」といった場所を示す副詞を文末に置きます。
She is talking outdoors.(彼女は外で話しています)
Should I wait here?(私はここで待ちましょうか?)
また、場所の言い方では「at the station」や「in Japan」などもありますが、こちらは「前置詞 + 名詞」の2単語以上のセットで副詞としての役割がある(副詞句である)と見なされるので、こちらも副詞の仲間だと言えますね。
I often take a nap in the office.(私は事務所でよく昼寝をします)
→「often」は頻度に関する副詞で、「in the office」が場所を示す副詞句です。
3-3.時間を表現する副詞(文末に置く)
また、時間に関する英語表現も文末に置くのが自然で、場合によっては「Today, I saw her.」(今日、彼女に会ったんだ)と時間について強調したい際には文頭に置くこともありますがが、基本は一番後ろの語順ですね。
I knew the project yesterday.(その企画を昨日知りました)
I’m going to take a day off tomorrow.(私は明日休む予定です)
【よく使う時間表現の副詞例】
- today(今日)
- now(今)
- yesterday(昨日)
- tomorrow(明日)
- yesterday morning(昨日の朝)
- next week(来週)
3-4.副詞が並ぶ場合には様態・場所・時間の語順で
後ろに置く副詞について、上記で説明しました動詞の様態や場所・時間について個別でなく、一文で3種類全ての副詞を使うこともよくあるかと思います。
その場合、基本的な語順では「動詞 + 様態に関する副詞 + 場所に関する副詞 + 時間に関する副詞」の順番になります。
I was spoken to by a foreigner suddenly at the station last week.(先週、駅で突然外国の方に話しかけられました)
様態の「suddenly」が先に来て、場所の「at the station」と時間の「last week」との並びですね。
また、同じ場所を示す副詞(または時間を示す副詞)を複数使いたい場合では、一つの基準として空間・時間的に狭い副詞が先で、広い副詞が後になります。
At a convenience store in Shibuya(渋谷のコンビニで)
→狭いエリアのコンビニが先で、渋谷が後
At 7 o’clock yesterday.(昨日の7時に)
→狭い時間帯の7時が先で、昨日が後
副詞表現が一文内で多くなり、「どれから説明すればいいのか…?」と混乱しそうになった場合、こちらの語順を参考に整理してみるといいですね。
4.副詞の語形パターンも一通りチェック
副詞の語順や使い方についてご説明しましたが、他にも副詞に関して分かりづらいことで「そもそもこれは副詞?それとも形容詞?」など副詞であるかどうか見分けがつかないケースもあるでしょう。
確かに副詞は語形のパターンが多く判別でちょっと戸惑いますが、傾向をおさえておけばよりスムーズに理解できますので、副詞の語形についても見ておきましょう。
4-1.形容詞に「ly」をつける副詞が多い
割と多いパターンで、形容詞の語尾に「ly」をつけることで副詞になります。例えば形容詞の「slow」が「slowly」にすることで副詞になりますね。
形容詞の原形に「ly」をつけるだけのパターンもあれば、以下の通り多少語形が変わることもありますので、参考までにチェックしておきましょう。
- 子音字 + yで終わる形容詞→「y」を「i」に変えて「ly」をつける(happily・easilyなど)
- leで終わる形容詞→「e」を「y」に変える(gently・noblyなど)
- ueで終わる形容詞→「e」を「ly」に変える(duly・trulyなど)
- llで終わる形容詞→語尾は「y」の追加だけ(fullyなど)
- icで終わる形容詞→語尾が「ally」になる(dramaticallyなど)
4-2.形容詞と同じ形(同音異義)の副詞
形容詞と副詞が同じ語形であるパターンもあり、例として「long」や「hard」があります。
Elephant’s nose is long.(象の鼻は長い|形容詞としてのlong)
We always talk long.(私たちはいつも長く話す|副詞としてのlong)
また、以下例文のように形容詞と副詞で同じ語形でも、意味が多少変わることもあるため注意しましょう。
This ribbon is short.(このリボンは短い|形容詞としてのshort)
The clock stopped short.(時計が突然止まった|副詞としてのshort)
「short」は副詞だと短いとの意味だけでなく「突然」や「切らす」など様々な解釈ができます。
4-3.他の品詞から派生した副詞もある
元々は別の品詞であったのが、副詞に派生する英単語もあります。以下が派生例です。
- intension(名詞:意図)→intentionally(副詞:わざと・故意に)
- nation(名詞:国)→nationally(副詞:国家的に)
- name(名詞:名前)→namely(副詞:すなわち)
こちらも形容詞との同音異義と同じく、名詞や動詞など本来の英単語と似たような意味になる場合もあれば、イメージが異なる副詞もありますね。
4-4.他の品詞と関連性がない純粋な副詞
他の品詞からのルーツがなく、単独で副詞として使われている英単語もあり、頻度や程度を示す副詞で多く見られます。
I seldom eat bread.(ほとんどパンを食べません)
That’s quite right.(全くもってその通りです)
動詞など別の英単語に関連しない言葉や「ly」などの語形変化もない、純粋な副詞ですね。
4-5.複数の語形がある副詞
また、副詞で複数の語形・使い分けがされる英単語もあります。例として「hard」と「hardly」の英文を取り上げました。
He works hard.(彼は一生懸命に働く)
He will hardly work.(彼はほとんど働かないだろう)
似たような副詞でも、「熱心に・懸命に」の「hard」と「ほとんど〜ない」の「hardly」で意味が大きく違いますね。
また、「short(急に)」と「shortly(間もなく)」も同じ副詞ですが意味が違う例です。
4-6.副詞句・副詞節の用法とは?
それと、単語だけでなく2語以上の句であったり一文(節)全てが副詞の役割であるパターンもよく使います。
I am in the hospital.(私は入院しています)
We should discuss once a week.(私たちは週1回話し合うべきです)
場所に関する前置詞 + 名詞の句や頻度に関する表現も副詞の一種ですね。
When I go home, my dog comes to the entranceway.(家に帰ると、飼い犬が玄関まで来てくれます)
If I were you, I would be in a fight with your boss.(もしも私があなただったら、上司と喧嘩しているでしょう)
副詞節では「when」や「if」などを使った場面指定・条件指定が副詞の役割を果たします。詳細はwhenとifの違い・使い分け解説で取り上げていますので、あわせてお読みくださいませ。少し難しい文法ですが「〜だったら、〜であるだろう」などの仮定法も重要な単元ですね。
5.副詞と関連性の高い形容詞などの品詞も大事!
副詞には様々な使い方や役割がありますが、他の品詞からの派生や関連性も高いので、より英語表現力をアップしていくためには品詞全体の基礎も把握しておくのが大事ですね。
副詞と似た意味である形容詞の使い方・種類について確認するほか、以下の関連ページも役に立ちますのでぜひご参考くださいませ!
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