助動詞は「can」や「must」など様々な種類がありますが、動詞を助けるという意味・役割があります。
英語の文法について苦手意識がある方でも、助動詞の基礎について把握することで細かい表現も英語でできるようになります。こちらのページでは助動詞の使い方や、それぞれの助動詞の違いなど分かりやすく解説いたします。
また、英語の助動詞は10種類以上ありますが、日常的な英会話で使う上では最低限5種類の助動詞だけおさえておけば問題ないので、重要な助動詞について例文もご紹介いたします!
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1.助動詞の役割とは?
そもそも助動詞がどういった品詞なのかという確認ですが、簡単に言うと動詞を助ける役割があります。
日本語での文章で例を挙げますと、「私は英語を話します」と伝えたい場合、単純に「話す」だけでなく、「話すことができる」とか「話さなければならない」のほか「話すだろう」など様々な表現ができますね。
「話す」という動詞に対して修飾したり、難しい言い方をすると事実ではなく推測としての表現で、助動詞が使われますね。
1-1.助動詞を使わない文章は事実を述べている
以下では現在形と過去形での英文ですが、実際に英語を話している(または話していた)と、断定されていますね。
I speak English.(私は英語を話します)
I spoke English.(私は英語を話しました)
時制については過去形の英語表現・基礎的な文法もご参考いただければと思いますが、助動詞を使っていない英文では事実について述べられています。
1-2.助動詞を使うと推測や可能性・義務の話になる
対して、助動詞を使った英文では様々な要素が加わります。
I can speak English.(私は英語を話せます:可能)
I must speak English.(私は英語を話さなければなりません:義務)
I will speak English.(私は英語を話すでしょう:未来の可能性)
I should speak English.(私は英語を話すはずだ:推測)
物事の事実とは別に、実現する可能性や義務などを話す場合には助動詞が使えますね。そのため、私は英語を「話せる」かもしれなく、「話すだろう」との推測も表現できますが、「実際に」話しているかどうかは不明との考え方ができます。
助動詞の定義や役割など、少々分かりづらい点もあるかと思いますが、ざっくり言うと『助動詞は普通の動詞の意味を少し変える働きがある』とのイメージで覚えておけばとりあえずOKですね。
2.英会話で使える助動詞一覧|まずは5つの助動詞からマスター!
助動詞には様々な種類があり、それぞれの意味について以下表でまとめました。ニュアンスの度合いによって助動詞を使い分けるので、それぞれのイメージについて掴んでおくといいですね。
助動詞 | 主要の意味 | ニュアンスの程度 | その他の意味 |
can | 〜できる | 潜在的可能性 | 〜してもいい/〜かもしれない |
could | 〜できた(過去形) | canの過去形 | 〜してもいい/〜かもしれない |
may | 〜だろう・かもしれない | 推量・推測 | 〜でありますように |
might | 〜かもしれない(過去形) | mayの過去形 | 〜でありますように |
will | 〜しよう・するだろう | 意志・推測 | 〜してくれませんか |
would | 〜でしょう | より丁寧な意志 | 〜していただけますか |
must | 〜しなければならない | 強い義務 | 〜に違いない |
have to | 〜しなければならない | 義務 | |
should | 〜するべきです | 義務・提案 | 〜するはずだ |
had better | 〜した方がよい | 忠告に近い提案 | |
need | 〜する必要がある | 必要性 | |
shall | 〜します/しましょうか | 未来 | |
ought to | 〜するべきです | 命令に近い提案 | 〜のはずです |
use to | よく〜していた | 過去の習慣 |
過去形の変化含めて10種類以上の助動詞がありますが、特に覚えておくべき助動詞は赤字の5種類に絞られますので、一つずつ以下で解説しています。
また、助動詞ごとの違いだけでなく、一つの助動詞にも複数のニュアンスがあるので混乱してしまうかもしれませんが、重要な5種類の助動詞イメージをまずおさえておきましょう。
- can|実現可能なこと(可能性)
- may|〜かもしれない(推測)
- will|〜だろう(強い意志)
- must|強制的な命令に近い(義務)
- should|同じ「すべき」でも提案に近い(提案寄りの義務)
3.助動詞の文法:基本的なルールは?
助動詞の意味について確認する前に、英語の助動詞について文法的なルールも確認しておくといいでしょう。三人称単数などの変化がない分、シンプルにはなっております。
▷関連記事:英会話で必要な文法を一通り解説!
3-1.助動詞の後は動詞の原形
英文の並びは「主語 + 助動詞 + 動詞」になりますが、助動詞の後にくる動詞は必ず原形になります。
I must study today. (今日は勉強をするべきだ)
She may like cats. (彼女は猫が好きかもしれない)
そのため、通常の英文で「She likes cats.」と三人称単数の「s」がつくパターンでも、助動詞の場合には「s」がつかず動詞原形で表現しますので注意しましょう。また、英語の基本的な文型(五文型)も復習してみるといいですね。
※三人称単数や動詞の変化など今ひとつ分からない方は、三人称単数の解説ページもご参考くださいませ!
3-2.助動詞は一文に一つ|続けて使えない
それと、複数の助動詞を並べて使うことができないルールもあり、例として以下の英文は文法として間違っております。
She may can solve this problem. (彼女はその問題を解決できるかもしれない、と言いたい)
「できる」という可能性と「かもしれない」の推量を同時に表現したい時に、「can」と「may」をセットで使いたいところですが、文法上NGなので以下のような言い換えが必要ですね。
She may be able to solve this problem.
→できるという意味を「be able to」で置き換え
助動詞の後は動詞原形が来ますので、be動詞だと「be」になりますね。助動詞のルールは単純ですが、原形や英文の言い換えなども意識すると、より英語表現がスムーズになりますね!
4.助動詞の語順・英文の作り方もチェック!
また、実際に助動詞で英文を作る際には基本的な語順もチェックしておきましょう。
繰り返しになりますが、基本的な肯定文での並びでは「主語 + 助動詞 + 動詞の原形」とのルールですね。
I should go home.(私は家に行くべきだ)
このような助動詞について、否定形や疑問形での作り方は以下の通りです。
▷参考:英語の基本的な構文・学習方法
4-1.否定文の語順|助動詞の後ろにnot
助動詞の否定文では、助動詞の後ろに「not」をつける語順になります。
I shouldn’t go home. (私は家に行くべきではない)
You can’t understand it. (あなたはそれを理解できない)
それぞれ「should not」や「cannot」とも言えますが、多くの場合では短縮形で表現されますね。
また、よくある間違いでは「I don’t should go home」と、一般動詞やbe動詞の否定形で使う「don’t」や「doesn’t」と組み合わせてしまうパターンがあります。
詳細は英語での否定形を作る方法でも解説しておりますが、「do」や「does」も助動詞であるため、「助動詞は続けて使うことができない」ルールより「don’t can」などの表現は不適切になりますね。
4-2.疑問文の語順|助動詞の重複に注意!
また、助動詞を使った疑問文では「助動詞 + 主語 +動詞の原形」と語順が逆になりますね。
Should I go home? (私は家に行くべきでしょうか?)
Can you understand it? (あなたはそれを理解できますか?)
それと、疑問文でも助動詞の複数利用はNGで、例えば「Will can you~」とは「Will you can~」などの語順は不自然ですね。「Will you be able to~」などの言い換えが必要なことについて、参考までに覚えておくといいでしょう。
疑問形についてはよく使う疑問詞(5W1H)の解説ページのほか、以下の関連記事もお読みくださいませ。
5.Canの4つの意味・使い方:コアの意味は「潜在的可能性」
以下では、特に重要な助動詞5種類について個別で解説いたしますが、まずは「can」の意味や使い方についてご紹介します。
「can」には「潜在的可能性」というコアのイメージを持っています。ネイティブの感覚にはこのイメージが根底にあります。このイメージをとらえながら5つの意味・使い方を理解していってください。
5-1.「能力」:英会話初心者はこれだけでも十分会話で役に立ちます。
- I can play tennis.
「 私はテニスをすることができます」 - Can she dance?
「彼女はダンスできますか?」 - Can you sing a song?
「歌を歌うことできますか?」 - He can’t swim.
「彼は泳ぐことができません」
単純に「できる・できない」という意味で使われるのが一般的。全てその人・物の能力を表す言葉です。「できる・できない」の潜在的な可能性を秘めています。
5-2.「許可」海外旅行に行くとき、レストランでオーダーする時に便利な表現
- You can use my computer if you need it.
「もし必要なら、私のパソコン使ってよいよ」 - Can I have a cup of coffee, please?
「コーヒーを一杯頂いてもよいですか?」 - Can we go home now?
「私たち今おうちに帰ってもよいですか?」
この表現は「できる」という言葉を少し応用した表現です。「あなたは~することができますよ」「私は~することができますか?」、つまり「許可」となるわけです。
5-3.「依頼」:ビジネス英語としても使えてとっても便利!
- Can you check this document by tomorrow?
「この書類を明日までにチェックしてもらえませんか?」 - Can you pass me the salt, please?
「そのお塩をとってもらえませんか?」
相手に「できる・できない」の可能性を聞いている。つまり、「〜してもらえませんか?」といった依頼表現となります。
5-4.「可能性」:〜する可能性がある
- Do you think he can be still alive?
「彼はまだ生きている(可能性がある)と思う」 - Anyone can make mistakes.
「誰しもがミスをすることはある」 - It can be a real diamond.
「それは本物のダイヤモンドにもなりうる」 - It can`t be real.
「それは本物であるはずがない」
これこそまさに「潜在的な可能性」ですね。これはCanの中でもかなりネイティブライクな使い方です。ぜひ理解して使えるようにしてくださいね!
6.Mayの3つの意味・使い方:コアの意味は「可能性の低い可能性」
イメージは「可能性の低い可能性」。たぶんそうだろうとの推測だけ違うかもしれない、確証は持てない。という曖昧さが「may」にはあります。可能性でいうと50%程度くらいの認識で良いかと思います。
6-1.「推量」:〜かもしれない
- I may have a chance.
「私にはチャンスがあるかもしれない」 - She may not hate you.
「彼女はあなたのことを嫌いじゃないかもしれない」 - May he know the truth?
「彼は真実を知っているかもしれない?」
「may」の基本的な意味で、確信のない推測を表現できますね。
6-2.「許可」:相手に敬意を示しながら許可を求める、または与える表現
- May I borrow the car tomorrow?
「明日車をお借りしてもよろしいでしょうか?」 - May I ask you a question?
「質問をしても宜しいでしょうか?」 - Students may travel for free.
「生徒たちは無料で旅行することができます」 - You may not take photos here.
「写真をとってはいけません」
疑問文の場合は、敬意を持って許可を得るとき。肯定文の場合は、公的な場所でお客さんなどに丁寧な表現で許可を与えます。否定文の場合では、公共の場所での注意書きのような使われ方をします。
ここでのコアイメージとの関係は、「可能性は低いとは思いますが、~してもよいでしょうか?」のように少しへりくだったニュアンスがでます。
6-3.「祈願」:お祝い事でのグリーティングカードでよく使われる表現
- May you both be very happy!
「お二人ともお幸せでありますように!」 - May countless blessings come your way!
「数えきれない祝福があなたに訪れますように!」 - May your birthday bring you everything you wish for!
「あなたの誕生日があなたが望むもの全てを授けますように!」 - May this special day give you countless fond memories.
「この特別な日があなたに数えきれない程の甘い思い出をあげますように!」→結婚式のお祝いなどに - May your son’s life be filled with happiness and love!
「あなたの息子の人生が幸せと愛に満ち溢れますように!」
May 主語 動詞の原形.という疑問文のような形で使います。未来の事は誰もわからない…しかし期待をこめて祈願を「叶いますように!」と表す表現です。
7.Willの4つの意味・使い方:本質は「意志・精神力」
willの本質は「意志」や「精神力」がコアのイメージになります。
中学では未来形を作る助動詞、なんて習ったりもします。しかし時々参考書などでも、willの本来の意味は未来形ではない!と書かれているものもあります。
7-1.「意志・意向・信念」:未来系ではなく、これは「意志」を表す表現
- I will stop smoking.
「 私はタバコをやめようとしてます」 - She won’t stop eating.
「彼女は食べるのをやめないでしょう」 - Will you come back here?
「ここに戻ってきますか?」
未来形でも出てくる助動詞、will。自分の意思や精神力を表します。「よし~しよう!」という感じですね。
7-2.「依頼」:Canと同じくビジネスでも非常に使える表現
- Will you carry this for me, please?
「これを私に運んでくれませんか?」 - Will you open the door for me?
「そのドアを空けてもらえませんか?」
Canと同じく「依頼」として使える表現です。Willでは相手の「意志」を確認している。「~してくれる意志はありますか?」という感覚でしょうか。
7-3.「推測・判断」:発話者の主観的または確率の高い推測を表すWillの表現
- It will rain tomorrow.
「明日は雨が降るだろう」 - We will be late.
「私たちは遅れてしまうでしょう」 - He will be in his office.
「きっと彼はオフィスにいるでしょう」
ここでのポイントはmayの「推量」の確率よりも高い確率だということで「〜だろう」と表現していますね。
7-4.「習慣・傾向・習性」:上級者レベルの使い方表現
- Accidents will happen.
「問題は起こるものだ」 - People will talk.
「人はどうしても話してしまうものだ。」
高い傾向から派生して法則性を表す「will」の表現。しかしかなり上級者レベルの表現で、何かを諭す場合に使う傾向にあります。日常会話では頻度はそこまで高くありません。
8.Mustの3つの意味・使い方:ぐいぐい迫る強烈な圧力
「must」は「~しなければならない」「~ちがいない」のような非常に強い圧力を表す表現です。
主観的な意味合いで使われることがおおく、実際の会話で使うときは「絶対」という感覚でネイティブは使います。
▷助動詞・mustの意味は「〜するべき」だけでない!【解説ページ】
8-1.「義務・命令・禁止」:この表現さえ抑えれば初心者の方は大丈夫!
- You must stop here.
「ここで一時停止しなければならない」 - I must not do this again.
「私はこれを繰り返してはいけない」 - Must you do that?
「 あなたはこれをやらなければならないの?」
「絶対に~する」義務などを表す強い言葉。なかなか会話でも使いません。(個人差があります・・)使うときは相当な決断です。また、否定形では「〜してはいけない」と強い禁止を意味しますね。
8-2.「強い確信(推量)」:圧力をぐいぐいかけて決めつける表現
- It must be kidding.
「それは冗談に違いない」 - You must be Emma.
「あなたはエマに違いない」
- He must be the man who we are looking for.
「彼は私たちが探している男に違いない」
主観的ではあるが、これは~に違いない!という表現ができます。強い確信をもってこの表現は使われます。
8-3.「強い希望・強い勧誘」:これが使えるとネイティブライク!マスターしよう!
- I must take you to that mountain.
「私はぜひあなたをあの山に連れて行きたいです」 - I must see you again soon.
「ぜひともまたすぐにお会いしたいです」 - You must go to Disneyland in California.
「ぜひともカリフォルニアのディズニーランドに行ってください」 - You must try this new shampoo.
「ぜひともこの新しいシャンプーを試してみてください」
どちらかというとお節介?かなりぐいぐいと圧力をかけた表現となっていますね。多用すると嫌がられることもあるので、場面を見極めて使い分けてください。
8-4.mustと似たhave toは助動詞ではない?
それと、「must」と同じく強い意味での義務を表現できる「have to」もあります。詳しくはhave toの意味・使い方でご紹介していますが、「〜しなければならない」という意味で使えることが多いですね。
ただ、英語文法の観点から解釈すると、「have to」は「意味的」に助動詞で分類されますが、「文法的」に言うと一般動詞に該当します。そのため、否定形などの変化でも「don’t have to」など、一般動詞と同じルールになります。
ですが「have to」は「must」のほか、似たような意味である「should」と使い分けることで、よりネイティブに近い自然な英語表現ができるようになりますので、他の助動詞との比較も大事ですね!
▷have toとmust・shouldの違いについて詳しくはこちら!
9.Shouldの2つの使い方・意味:「当然」というネイティブの感覚
「must」よりは弱い表現で確信を得ているニュアンスの「should」ですが、日常会話では非常に使い勝手の良い言葉です。
9-1.「義務・提案」:mustよりは少し弱め、気持ちの強さは70-80%くらいの表現
- You should finish it more quickly.
「あなたはもっとこれを早く終わらせるべきだ」 - I should not give you this.
「私はあなたにこれをあげるべきでない」 - Should I give up?
「諦めるべき?」
「義務」として使うこともできますし、「提案」としても使うことができます。使い分けは文脈や言い方・感情でかわってきます。かならず声にだして、実際の会話で使ってみてください。
9-2.「推量」:日常会話で頻出な表現!これが使えるとネイティブっぽい表現に!
- This bus should arrive in 5 minutes.
「そのバスは5分後に到着するはずだ」 - My dry cleaning should be ready this afternoon.
「ドライクリーニングは午後には準備できているはずだ」
また、「should」でも「〜するはずだ」という推測・推量も表現できます。これも日常英会話で使う場面が多いので、フレーズを覚えておくといいでしょう。
10.英語の重要な助動詞は役に立つ!
5つの助動詞の使い方を中心に解説しましたが、助動詞にはそれぞれ多彩なニュアンスを表現するために、とても大事な文法です。ネイティブの感覚をしっかりと理解すれば、英会話でも必ず役に立ちます。
誰もが中学で学習していることなので、全く難しくありません。すでに知っている知識に少しネイティブの感覚を追加してあげるだけで表現の幅が広がりますので、以下の関連記事もご参考にしながら取り入れてみましょう!
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