代名詞は「名詞の代わり」になる役割があり、人や物の名前について「he」や「this」などで置き換えることができます。
ただ、代名詞は「you」など分かりやすい人称代名詞だけでなく、様々な種類があるので一通り理解しておくことが大事ですね。
- 代名詞を使う目的
- 5種類ある代名詞の使い分け方
- 日常英会話での具体的な代名詞の利用例
代名詞の基本や知っておくべきポイントについて、一通り解説いたします!
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1.英語の代名詞はどうして使う?|代名詞の種類まとめ
代名詞は英語で「pronoun」と言いますが、名詞(noun)の代わり(pro)との意味がありますね。代名詞の役割は日本語でも同じようなイメージができて、例えば以下のような文章があったとします。
Rebecca is from the United States. Rebecca came to Japan last year. Rebecca studies Japanese.
→「レベッカはアメリカ出身です。レベッカは昨年、日本に来ました。レベッカは日本語の勉強をしています。」
このように継続する英文や英会話があった場合、「Rebecca」という同じ名詞を繰り返すとくどく感じますよね。仮に名詞が「レベッカの飼い犬」とか「2020年の東京都の人口」など長い単語であれば、なおさらです。
そのため、日本語で「彼女」とか「それ」など置き換えすることで、スマートに伝えられることができます。上の例文では、最初の一文は「Rebecca」を言って後は「She」の代名詞が自然でしょう。
1-1.英語で使う代名詞の種類一覧
代名詞の種類について、以下表の通り5種類に分類されます。それぞれ個別で解説いたしますが、まずは相手や他人・または自分のことに関して英語表現する際に欠かせない人称代名詞が重要であり、基本的な知識になりますね。
代名詞の種類 | 代名詞の例 |
人称代名詞(所有代名詞・再帰代名詞を含む) | I/you/she/he/myなど |
指示代名詞 | this/that/these/thoseなど |
不定代名詞 | some/all/both/anotherなど |
疑問代名詞 | who/which/whatなど |
関係代名詞 | who/which/what/thatなど |
1-2.代名詞の発音について|リダクション(音の脱落)が多く聞きづらい?
代名詞の例でもご紹介しています「you」や「he」など、実はネイティブの発音だとスペル通りに聞こえなく、発音されるべき音が脱落することが多々あります。発音の脱落についてリダクションと呼びますが、例えば以下のような発音の変化があります。
Did you go shopping yesterday?
→「ディド ユー」でなく、「ディジュ」または「ディジャ」で発音
代名詞が入ると本来のスペルのイメージとは違う発音が聞こえて、最初は「何を・誰のことを言っているのだろう?」とリスニングで困ることもありますが、リダクションには特定の傾向や仕組みがありますので、以下の関連記事でぜひご参考くださいませ!
2.代名詞の基本は人称代名詞|人称・格で使い分け
まずは代名詞の中でも基本的な内容である人称代名詞について、ご説明します。人称代名詞や人間や動物だけでなく、物の代わりになる英単語で、以下表の通り人称(一人称・二人称・三人称)の種類や格(主格・所有格・目的格)によって、語形が変わります。
人称代名詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 |
一人称 | I | my | me |
we | our | us | |
二人称 | you | your | you |
三人称 | he | his | him |
she | her | her | |
it | its | it | |
they | their | them |
2-1.人称代名詞の一人称・二人称・三人称
人称代名詞で区別する基準である一人称・二人称・三人称は、以下のような特徴があります。
- 一人称:自分自身・話し手(単数形で「I」・複数形で「we」)
- 二人称:相手・聞き手(単数・複数の両方で「you」)
- 三人称:自分と相手以外の人や物(単数形で「she/he/it」・複数形で「they」)
シンプルな考え方では、自分が一人称で相手が二人称、それ以外の存在は三人称という感じですね。三人称の単数形だと動詞の変化(「s」や「es」)がつく文法のルールもあり、詳しくは三人称単数の基準・注意点で取り上げています。
2-2.主格・所有格・目的格の違いについて
人称代名詞では主語として使うか、または別の名詞を説明する目的で使うかなど「格」の違いによって語形が変わります。
- 主格:文章内で主語として使われる場合(I/you/sheなど)
- 所有格:名詞を修飾して所有や所属などを表現する場合(my/your/herなど)
- 目的格:「〜を・〜に」など目的語として表現する場合(me/your/herなど)
She goes to school by train.(彼女は電車で通学します)
→主格の代名詞「she」
I’ll give you my bag.(私のバッグをあなたにあげましょう)
→目的格の「you」と所有格の「my」
例文のように、代名詞の目的や位置によって主格・所有格・目的格が区別されますね。所有格の使い方・詳しい例文やフレーズの解説ページもありますので、ご参考くださいませ。
3.人称代名詞に含まれる所有代名詞・再帰代名詞について
また、人称代名詞の中には所有代名詞と再帰代名詞もあり、それぞれの考え方についても確認してみましょう。語形変化については以下表の通りです。
人称代名詞 | 所有代名詞 | 再帰代名詞 |
一人称 | mine | myself |
ours | ourselves | |
二人称 | yours | yourself(yourselves) |
三人称 | his | himself |
hers | herself | |
–(itはなし) | itself | |
theirs | themselves |
3-1.所有代名詞は〜のものを意味
所有代名詞は所有格の人称代名詞と似ていて分かりづらいかもしれませんが、「〜の」と意味する所有格と違い、所有代名詞は「〜のもの」とそれ自体が名詞の役割をします。
Is this passport yours?(このパスポートはあなたのものですか?)
These pizzas are ours.(これらのピザは私たちのものです)
「It’s mine.」(それ、私のです)と何気なく言えるフレーズにも所有代名詞が使われますね。
3-2.再帰代名詞は〜自身
再帰代名詞は「帰ってくる」イメージより「自分自身で・自分の」と意味します。
I filed tax return myself.(自分で確定申告をしました)
She praised herself.(彼女は自分で自分を褒めました)
再帰代名詞は決まったフレーズが多く、上の例文にある「parise oneself」で「自画自賛する」と言えたり、「Please help yourself to~」で「ご自由に〜をお取りください」と使う場面もありますね。
4.指示代名詞(this/that)の使い方まとめ
指示代名詞は人だけでなく物など様々な名詞を対象に使うことが多く、基本的には「this」と「that」で表現します。また、複数形の場合には「these」と「those」になりますね。
指示代名詞の種類 | 単数形 | 複数形 |
距離的に近い | this | these |
距離的に遠い | that | those |
詳しくはthisとthatの違いでも解説していますが、それぞれの違いについて距離的な要素が関係しています。
This is a whiteboard and you can use that pen.(これはホワイトボードで、あのペンを使えます)
例文では、近くにあるホワイトボードを「this」で言っており、少し遠くにあるペンについて「that」で指示しています。
I will never forget those days with you.(あなたといたあの日々を、決して忘れないでしょう)
物理的な距離感だけでなく、心理的な要素や時間的な距離も「this」や「that」または複数形の「these」「those」で表現できます。こちらの例文では「あの日々」という過去の時間について「those」で遠い距離を示していますね。
4-1.参考:指示代名詞の一種である「such」と「same」
また、指示代名詞では「such」や「same」も日常英会話で使いやすい表現です。
- such:そのような・物・人(as suchで「そのように」)
- same:同じ物・人
Have you ever been to a cold country such as Canada?(カナダのような寒い国へ行ったことがありますでしょうか?)
You have the same pen as I have.(あなたは私のと同じペンを持っていますね)
同じであったり、〜のようになどの言い回しで使えるフレーズなので、覚えておくといいでしょう。
5.不定代名詞は不特定のモノを表現
上記でご紹介しました人称代名詞や指示代名詞は具体的に何のことであるか・誰なのかが明確になっていますが、不定代名詞は不特定単数(または多数)を対象にしたものです。
- one(ある一つのもの)/ones(ある複数のもの)
- some(いくつかのもの・肯定文)/any(いくつかのもの・疑問文と否定文)
- other(他のもの)/another(もう一つのもの)
- all(全て)/none(何も〜ない)
- each(それぞれ)/both(両方)
- either(どちらか一方)/neither(どちらも〜ない)
- -one/-body/-thing
代表的な不定代名詞は上記の通りで、微妙に異なるものもあるのでいくつか比較してみましょう。
5-1.all(全て)
All of these eggs are in good condition.(これらの卵は全て、状態が良いです)
「all」は全てという意味で、「all of + 名詞」で「〜は全て、どれも」と訳すことができますね。
5-2.one/ones(あるもの)
不定代名詞である「one」や「ones」では「ある一つのもの・複数のもの」と意味して、前の文章を受けて不特定の物を示します。
I love strawberries. Can you give me one?(私はイチゴが大好きです。それを一つもらえますでしょうか)
例文では、あなたが持っているイチゴについて「どれか」一つくださいというニュアンスなので、特定していない一つの「one」が代名詞の働きをしています。仮にいくつかくださいという依頼でしたら、「Can you give me ones?」となりますね。
ショップで店員さんへ「これください」と言う際にも「I’d like this one.」とか「This one please.」のフレーズが使えますね。ただ、仮に色々ある服の中で、店員さんにこれがおすすめですよ!と言われて気に入った場合、対象が限定されるので「I’d like the one.」と、共通認識のつく「the」の冠詞を使います。
5-3.some/any(いくつかのもの)
「some」と「any」は「いくつかの」と意味する代名詞で、どちらも数量的な意味は同じですが、対象となる物や人が必ずあるかどうかで変わります。
- some:対象の存在があることが前提(肯定文)
- any:対象のものがない or あるかどうか分からない(否定文・疑問文)
I have some money.(いくらかお金を持っています)
Do you have any problems?(何か問題がありますか?)
ほかにも、「I don’t have any ideas」など実際にない対象や、あるかどうかこれから確認する物などは「any」を使うルールですね。
5-4.other/another(他のもの)
「other」と「another」も似ている不特定名詞ですが、特定か不特定の対象かによって使い方が変わります。
- 特定・残りの一つである場合:the other
- いろいろある中での一つ:another
We have two books, one is a dictionary and the other is a textbook.(2冊の本を持っていて、1冊は辞書でもう1冊は教科書です)
→「残りの1つ」で特定しているので「the other」
The virus can move from one smartphone to another by itself.(このウイルスは単独で、あるスマホから別のスマホ端末へ移動する可能性があります)
→別のスマホは不特定多数なので「another」
示している名詞は何か分かっているかどうかで、不特定名詞の使い分けができますね。
6.疑問代名詞は名詞の代わりを意味する疑問詞
また、英語の疑問文でよく使う「What」や「Who」も代名詞の一種で疑問代名詞と言います。
- 人に関する質問:who(誰)/whose(誰の)/whom(who)(誰に)
- 人や物に関する質問:which(どちら)
- 物に関する質問:what(何)
疑問代名詞では人に関する「who」では、主格・所有格・目的格によって語形変化がありますね。
Who got fired last month?(誰が先月クビになったのですか?)
→主語に関する質問なので「who」
Whose wallet is this?(これは誰の財布でしょうか?)
→所有格の「whose」で質問
Whom(Who) will I give this gift to?(このプレゼントは誰にあげるつもりでしょうか?)
→目的語で誰かを質問しているので「whom」または「who」を使う
目的格では「whom」が文法上のルールですが、口語ではわりと「who」を使いますね。そのほか、日常英会話で使える疑問代名詞に関して詳細は疑問詞5W1Hの使い方・例文まとめで解説しています。
7.関係代名詞は接続詞の役割がある
関係代名詞は代名詞に加えて接続詞の役割があり、簡単に言うと「複数の英文を一つの文章にまとめることができる」感じです。
関係代名詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 |
人の場合 | who(that) | whose | who・whom(that) |
物の場合 | which(that) | whose | which(that) |
関係代名詞も人称代名詞と同様に、主格・所有格・目的格によって語形が変わりますので、一つずつ例文も見ていきましょう。また、関係代名詞の意味や使い方のページもご参考までに。
7-1.主格の関係代名詞(who・which)
説明したい先行詞が主語・主格である場合には「who(人の場合)」または「which(物の場合)」が使われます。
I have a brother who is in the hospital.(私は入院している兄がいます)
→「A brother is in the hospital」を「who」の関係代名詞で接続
I went to a festival which is popular with young people.(若者に人気のフェスに行ってきました)
→「A festival is popular with young people」を「which」の関係代名詞で接続
後の文章については「関係詞節」と言いますが、関係詞節の中で対象の名詞が主語の場合に主格の関係代名詞で接続します。また、主格の関係代名詞には「that」も使えますが、人が先行詞の場合には「who」の方が自然でしょう。
7-2.所有格の関係代名詞(whose)
所有格での関係代名詞では人・物にかかわらず「that」で接続します。
I went drinking with him whose business performance is bad.(営業成績の悪い彼と飲みに行きました)
先行詞の「彼」について「彼の成績が悪い」と所有格で補足しているので「whose」を使っているパターンです。
7-3.目的格の関係代名詞(who・which)
また、関係詞節で目的語になるような関係代名詞では、目的格の「who」や「which」が使われます。
She is using a pen which I bought last month.(私が先月買ったペンを彼女が使っています)
目的格でも「that」が使えるほか、関係代名詞自体を省略して「She is using a pen I bought last month.」と表現しても同じ意味になりますね。
他の代名詞と比べて少しややこしいですが、関係代名詞を理解できると英語表現がよりスマートになりますので、参考までに覚えておくといいでしょう。
8.まとめ|代名詞の使い方を確認してより自然な英会話表現を!
代名詞には様々な種類があり、最初から完璧に理解して使いこなすのは難しいかもしれませんが、普段からの英語学習や英会話の練習で少しずつ意識することで、代名詞を使った自然な英語表現ができるようになるでしょう。
また、代名詞と関連性の高い文法も大事で、英語の名詞に関する基礎知識や種類を知っておくほか、以下の関連記事が役に立ちますのであわせて読んでみてはいかがでしょうか。
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